酵素はタンパク質ですからね、熱に弱い!
今年のプロ野球、セリーグは何ともおかしな状況になっていましたね。全チームが借金状態になってしまったり。我がひいきのチームも弱いのですが、それにもまして、他も弱い。
弱い弱いとといえば、酵素って実は熱にものすごく弱いんですよ(急に本題かい!とつっこまないで下さいね。僕の書き方のクセですから)。
何と言っても、タンパク質でできているのですから……と言ってしまえばそれまでですが、確かに酵素は熱には弱いんです。
何度も言うようですが、酵素の原料はタンパク質です。タンパク質の特徴のひとつが、熱に弱いこと。そのため、酵素の特徴としても熱に弱いことが挙げられます。
酵素は熱によって、酵素としての働きがなくなってしまいます。耐えられる温度は48度と言われており、実際は48度あたりから70度くらいまでで働きを停止してしまいます。
僕の近所になぜか50度で温度設定をする銭湯があるんですが、あそこの湯船に酵素を入れると、働きが壊れてしまうということですね(それでも真っ赤な顔して入っているお爺さんがときどきいるんですよ!上島竜平も真っ青な熱湯風呂なのに)。
話を戻します。酵素を摂るためにいろいろな食物を食べる場合、加熱しているかどうかが効果の目安になります。普段の食生活で酵素を摂りたいのであれば、加熱していない食物を摂らねばなりません。
何度も言いますが、僕の家の近所の銭湯の温度も、適温の42度にすべきです。
そもそものタンパク質の熱変性
原点に立ち返り、タンパク質の熱変性について考えてみましょう。タンパク質は、アミノ酸が立体的にたくさんつながってできています。熱によって、この立体的な構造はもろくも崩れてしまうのです。これを「熱変性」と呼んでいます。
しかし、この熱変性は決して悪いことではありません。
牛乳を例にしてみましょう。牛乳のタンパク質は、カゼインタンパク質とホエータンパク質という2種類のタンパク質で構成されています。このタンパク質のうち、ホエータンパク質は熱により変性し、固まってしまいます。
赤ちゃんがミルクを飲むと、胃の中で固まります。このときに脂肪やカルシウムを包み込み、栄養成分を運んでくれるので、体内の隅々まで栄養分が行き渡ることになります。僕たちが飲む牛乳も、少々温度は高いですが胃の中で固まり、ゆっくりと消化吸収されます。
このように熱変性があることで、タンパク質は栄養素の吸収を助けています。
熱に関して褒めると、風呂屋のオヤジが温度を52度に上げやしないか心配になりますが(シツコイですね)。
特性がわかれば対処できる
いろいろなタンパク質がそうであるように、酵素が働かなくなる条件もわかっています。48度の場合は2時間、50度で20分、53度で2分。これが、酵素が働ける時間の限界です。これを越えてしまうと働かなくなり、「死活」という状態になります。
この条件を酵素ドリンクは満たすことができません。これは、日本の法律で決められた加熱処理をしなければ、清涼飲料水を出荷できないからです。そうなると、サプリメントで摂るのが良いということになります。あるいは、生野菜や発酵食品ですね。
足りない酵素を摂ることは、とても重要なことです。ですが、見方を変えれば、今体内にある酵素を無駄遣いしないという視点も大切です。暴飲暴食をすれば、体内の酵素が必要以上に使われます。たくさんの食物を消化するため、消化酵素を多く消費しなければならないからです。
もともと体内には、決められた量の酵素しかありません。消化酵素が大量に消費されると、当然のことながら代謝酵素が減ってしまいます。代謝酵素が減ると、肌荒れが起きたり、胃腸の調子が悪くなったり、悪いことばかりです。
僕たちが風邪をひくと食欲が落ちるのは、風邪の菌を撲滅させるために代謝酵素がたくさん使われるからです。消化酵素が減ってしまうことを体が事前に認知して、食欲を落としていると言われています。この話、酵素というものを理解するにあたって、結構わかりやすいと思いませんか?
僕たちの体は、上手にバランスをとって生命活動を維持しています。だからこそ、不足しそうであれば酵素を摂るようにすると同時に、効率的に酵素を使い、無駄な消費がないようにすることも重要なのです。
そういう意味では、味噌などの発酵食品は、酵素を補給するだけでなく消化酵素の消費も少なくするので、スーパーな食品と言えますね。
味噌がいかに優れた発酵食品であるかに関しては、こちらにもまとめてあります。興味のある方はついでに読んでみてくださいね(「味噌汁から語る知られざる味噌の効能効果」)。
何度も言いますが、酵素は熱に弱いんです。
でもって、僕の近所の風呂屋のお湯は熱すぎるんです。
ぜひ、覚えておくようにしましょう。