日本人の愛すべき国民食と言えば?
――そう。ラーメンですね。僕が知る限りですが、どの種類のラーメンも苦手とか嫌いという人には、あまり出会ったことがありません。むしろ、ラーメンに対しては貪欲に、かつ「旨いラーメン屋があるのだけど、一緒に行かないか?」なんて誘いもしばしば。
本当に、日本人はラーメンが大好きですよね。
世界ラーメン協会(WINA)がホームページ上に発表している『即席めんの世界総需要』調査では、2015年5月13日現在、日本は世界でも第3位に輝いています。
こちらは「即席めん」の調査なので、カップうどんやカップ焼きそばも含まれており、厳密に言えばラーメンだけではありません。それを差し引いても、1位の中国・香港、2位のインドネシアについで、堂々の3位にランクインです。
やはり日本人は麺が好き。とりわけ、ラーメンは大好きな国民性がありますよね。
さて、語りだすと止まらないラーメン論。中でも、日本を代表する調味料「味噌」を使った味噌ラーメンが、僕は好きです。そこで、日本のラーメンの歴史と、味噌ラーメン発祥の店舗に想いを馳せてみようと思います。
日本で初めてラーメンを食べた人ってだーれだ?
今や国民食となっているラーメン。ラーメン店で食べるラーメンだけでなく、今は家庭で本格的なラーメンが楽しめる生めんタイプのものや、お湯を注ぐだけで完成するインスタントラーメンなど、種類も豊富ですよね。
そんなラーメンですが、日本で初めてラーメンを食べた人って、皆さんご存知ですか?
正解はこの人です!
水戸黄門でおなじみの、徳川(水戸)光圀公。TVドラマでは「人生楽ありゃ苦もある」そうで、お茶の間の人気者ですね。ちなみに、水戸黄門のテーマともいえる『あゝ人生に涙あり』ですが、歴代のOPテーマは助さん&格さんが担当しています。
もちろん、例外もあります。ですが、ほぼ歴代の助さん&格さんが歌っています。なので、現在は8代目。東幹久さんと的場浩司さんがOP曲を担当しています。
……はい。少し話がそれてしまいましたね。ごめんなさい。今から約300年前、徳川光圀公が日本で始めてラーメンを食べた人だと言われています。
実は光圀公、自分でうどんを打つほどの大の麺好き。「中国の麺を紹介する」と長崎に亡命していた明国の儒学者・朱舜水が多方面にわたり尽力を尽くし、日本で始めてのラーメンを作って実食。
これが、日本で始めての「ラーメン」になりました。
現在は、実際に光圀公が楽しんだといわれるラーメンそのものを復刻させた『水戸藩らーめん』が、ご当地グルメとして茨城県内で食べられますよ。
味噌ラーメン発祥の地ってどこ?
徳川光圀公がラーメンを初めて食べて、日本のラーメンの歴史が始まりました。
と言っても、庶民の間でもラーメンが食べられるようになったのは、明治43年の東京・浅草の来々軒が最初と言われています。ここから「ラーメン=庶民の味」として、じわじわと広まっていったのですね。
そして、我らが愛する味噌ラーメン。
本格的な味噌ラーメンの発祥は、札幌にあります。札幌味噌ラーメンの発祥の店として有名な「味の三平」。このお店こそ、僕は戦後の日本に広まった札幌味噌ラーメンの元祖だと思います。
皆さんは「味噌ラーメン」といえば、濃厚な色と味のスープに、たっぷりのネギがのったラーメンをイメージしませんか? しかしこの味の三平で食べられる「元祖味噌ラーメン」は、良い意味で想像を裏切られます。
まずはスープの色が、予想外に薄い感じです。しかし、スープの味はしっかりと味噌の風味と野菜の甘みがきいています。
うおォン!! これはうまい!!
……などと、某漫画に登場するキャラクターのように、思わずうなってしまうのも納得の味。
そして、ラーメンに欠かせない具材ですが、乗っているのは、ひき肉・タマネギ・モヤシ・メンマ。さらに、ちょこっと乗っているカイワレが、良い感じのアクセントになっています。
味噌ラーメンと言えば、太くて縮れているコシの強い麺もイイ感じ。
最近の流行は「味噌ラーメンといえばガツンとした濃厚風味!」なんて店舗も増えていますが、味噌のシンプルな風味とや野菜の甘み。そして主張しすぎないトッピングに食べ応えのある麺――。
これぞまさに元祖の味!
ぜひ皆さんも、札幌に足を運んだ際には立ち寄ってほしい名店です。
並んででも食べたい味噌ラーメン
日本人はラーメンが大好きですが、好きなもののためには並ぶことも大好き。お腹の空き具合にもよりけりですが、30分ほどの待ち時間は平気という人も多いそうです。
そんなとき、日本では「並んででも食べたい!」と思いますよね。
先ほど紹介した「味の三平」も、混んでいる曜日や時間帯があります。現在はビルの中に店舗を構えていますが、札幌味噌ラーメン発祥の店と呼ばれている「味の三平」も、最初は屋台からのスタート。1950年に札幌で開業し、札幌味噌ラーメンの礎を築いたというエピソードは、ラーメン通の間では有名です。
少し前までは現地に足を運ばないと味わえなかった札幌味噌ラーメン発祥の味ですが、現在は店頭でも「お土産用」のラーメンとしゅうまいが販売されています。
さらに電話では、地方発送も受付中。「札幌まで足を運ぶのは難しいけれど、元祖味噌ラーメンが食べたい!」という人は、ぜひ一度、店舗に電話で問い合わせてみてはいかがでしょうか。
●味の三平
〒060-0061 札幌市中央区南1条西3丁目2
大丸藤井セントラル4F
TEL: 011-231-0377(店舗)/011-811-2297(お土産ラーメン地方発送)
そうそう! おまけとして、ラーメンに関しては「夜食にやってしまった」という場合も多いので、そんなときのために、「飲んだあとの夜中のラーメン「やってしまった」と思わないために」というコラムも書いていますので、こちらもご参考にしてくださいね!
そして最後にひとこと、醤油ラーメンも大好きよん!
それでは、おあとがよろしいようで!