キレる子どもが増えています
昔は若者言葉だった「キレる」という言い回し。
近頃は、世代を問わずよく耳にする言葉として、情緒が不安定になり、自分の感情や怒りをコントロールすることができなくなってしまうという意味で「キレる」が浸透しています。
中でも、キレる・むかつく・イライラするといった子どもたちの行動が、特に目につくようになりました。しかもこの状態は、低年齢化しているとも言われています。
少子化が叫ばれる昨今ですから、そもそも子どもの数が少なく、自然とキレる子どもに目が言ってしまいがち、なんて理由もあるかもしれません。一昔前まで、今で言うところの「キレる子ども」は、親のしつけの問題なんて言われていましたね。
キレる子どもが増えている理由のひとつに、栄養バランスの乱れがあると言われています。近年、さまざまな研究で、食べ物が脳を育てることがわかってきました。「キレる」とは、脳の機能がうまく働かなくなった状態なのです。
人が育っていくには、「休養」「運動」「栄養」の3大要素が必要だと言われています。キレる子どもたちには、これらの要素がしっかりと保証されていないのです。
アラキドン酸とEPAの比率が大切
離乳食が始まり、保護者との意思疎通ができるようになるまでは、食事の管理は保護者の責任となります。栄養バランスのとれた食事によって、正しい食習慣を身につけることが大切なのです。
特に気にしたいのが、アラキドン酸です。アラキドン酸とEPAの比率が悪い食事をしていると、キレやすい子どもになるという調査結果も出ています。
脳の発達過程では、妊娠6週目くらいが一番重要だと言われています。この時期と出産後の短期間で、脳細胞が一気に増えていくからです。それ以上は、増えることはありません。
ですが、脳細胞の容積はその後でも、学習や食事によって増やすことができます。だからこそ、妊娠中の女性は可能なかぎりジャンクフードなどは避けたほうが良いと言われており、産婦人科医も推奨しています。
脳細胞を増やす時期には、材料とある脂肪酸が有効です。EPAやDHAは良く知られていますね。
生まれた後はどうでしょう? 食事の理想的なバランスとしては、アラキドン酸1に対して、EPA3がベストだと言われています。EPAをたっぷりと摂るためには魚、いろいろなビタミンやミネラルを摂るためには野菜類がおすすめです。
油で揚げるフライや肉類、乳製品を多く食べるようになると、自然とアラキドン酸の摂取量も増えていきます。そうなると、今まで以上にEPAを摂る必要も出てきます。
バランスの良い理想的な食事のために、まずは加工食品の利用を少なくしてみましょう。逆に、魚や野菜はたっぷりと食べるようにしてみてください。
合言葉は「まごはやさしい」
脳にやさしい栄養素を簡単に説明できる、秘密の合言葉を知っていますか?
それが、「まごはやさしい」です。
「ま」は、豆類。納豆や大豆など豆類には、レシチンが含まれています。レシチンは、合成されることでアセチルコリンになり、記憶力を高めてくれます。また、豆類にはタンパク質とマグネシウムもたっぷり。
「ご」は、ごま。活性酸素を防ぐ抗酸化栄養素は、ごまやナッツ類に含まれています。食品添加物に含まれている有害物質と結合しやすいので、添加物の排出にも一役買っています。
「は(わ)」は、わかめ。わかめや昆布などの海藻類にミネラルが多量に含まれているというのは、有名ですね。また、カルシウムは集中力を高め、気持ちを落ち着かせてくれます。
「や」は、野菜。先ほども説明しましたように、ビタミンをたっぷりと含んでいて、脳内でブドウ糖代謝に関与します。
「さ」は、もちろん魚ですね。DAPとEPAを摂取するための代表的な食材です。精神細胞の働きを良くするので、うつ病にもなりにくく、人に対してキレるという攻撃的な行為を減らすことができます。
「し」は、シイタケ。ビタミンDや食物繊維が豊富です。その他のキノコ類でも問題ありませんよ。
最後が「い」、イモです。実はイモ類は炭水化物だけでなく、ビタミンもたっぷりと含んでいます。
脳の発達には、これらをバランス良く摂ることが大切です。「まごはやさしい」と覚えて、実践してみましょう。
子どもの成長に関連した話題としては、以下のような記事もあります。
「現ママ&未来のママ必見!子どもの成長に食事が及ぼす影響について」
子どものために、そして自分のためにも、ちょっとだけがんばって食事を工夫してみましょう。