味噌は医者いらず
「味噌は医者いらず。」
おばあちゃんの知恵袋的な言葉ですね。
皆さんも、一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか?
日本人は、味噌が好き。嗚呼、日本人が古くから愛して止まない調味料。高血圧を気にする人もなぜか味噌の塩分はさほど気にせず、味噌汁を毎朝飲むという人も多いですよね。
昔から、味噌にまつわることわざがたくさんあることからもわかるように、味噌と健康は切っても切れない仲です。
まさに、昔からの親友!
最近の言葉で書くと、「味噌と健康とは、ズッ友だよ☆」状態!
僕たちが何気なく生活に取り入れている味噌ですが、昔の人はその経験から、味噌の高い栄養価を知っていました。
そして現代、味噌の研究が進み、その効果も実証されています。
味噌が良い理由 その1「栄養バランスが良い」
なんと言っても、味噌にはたくさんの栄養成分がバランス良く含まれています。
味噌の原料である大豆は、そのままでも栄養満点。「畑の肉」と言われるほど、大豆本来が持つ栄養素も豊富です。
――しかし!
発酵することによって、もともとの大豆にはない栄養を含むようになります。
特に注目すべきは、アミノ酸とビタミン類です。発酵することでこれらが多量に生成され、栄養価を高めています。発酵によって、味噌の栄養がグレードアップするのですね。
また、大豆のタンパク質は発酵することで酵素によって分解されて、水溶化されます。この一部が、アミノ酸になります。このアミノ酸、なんと、私たちが生命活動を維持するために必須となる、「必須アミノ酸」が8種類すべて含まれているのです。
他にも、ビタミンであれば、B1・B2・B6・B12・E・K・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ピオチンが含まれていますし、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・ヨウ素なども、たーっぷりと含まれています。
味噌が良い理由 その2「消化吸収されやすい」
言うまでもなく、味噌は日本の伝統食材です。日本に伝わる伝統食材と言えば、発酵しているものも多く、味噌も消化吸収されやすい食材のひとつと言えます。
一方、味噌の主原料である大豆のタンパク質は、加熱すると消化吸収が悪くなります。
例えば、節分のときに豆まきに使い、後で食べる「節分豆」。煎った大豆を使う地域が多いですが、年齢分以上に食べてしまった結果、お腹の調子が悪くなった……なんて経験はありませんか? 実はこの現象こそ、大豆本来が持つ消化吸収の悪さを体現しています。
しかし、それが「味噌」に変わると、性質が劇的ビフォーアフター!
大豆のタンパク質は酵素によって加水分解された結果、約60%が水分に溶け、約30%がアミノ酸になります。――なんということでしょう。炭水化物は体内でブドウ糖に変わるので、消化吸収がしやすくなります。
このように考えると、大豆そのものを食べるよりも、味噌で食べるほうが、含まれている栄養をしっかりと吸収できるということになります。
日本人のソウルフードこと「味噌」。毎日食べている味噌ですが、実は日本国内で品評会が開催されているって知っていました?
過去には2014年全国味噌評議会で受賞した味噌も紹介していますので、よかったら合わせてご覧ください。味噌の世界って、本当に奥が深いですよ。
味噌が良い理由 その3「日本人を魅了する香り」
味噌の香りの良さは、発酵食品ならでは。その香りは、日本人を魅了する独特のものです。実はこの香りの正体は、味噌が成熟していく過程で生まれる「メラノイジン」によるものです。
このメラノイジンが、僕が味噌をおすすめの理由のひとつです。メラノイジンには、強い抗酸化作用があります。抗酸化作用は、体の“さび”の予防になります。
たとえ年齢は同じでも、すごく若く見える人もいれば、そうでない人もいますよね。その老けの度合いに影響しているのが、活性酸素です。活性酸素が多ければ多いほど、体は老化していきます。
私たちは呼吸によって多くの酸素を取り入れ、食事から得た栄養素を燃焼させることで、すべての生命エネルギーを作り出しています。この過程で、酸素の2%ほどが活性酸素に変わってしまいます。
活性酸素は必要以上に増えてしまうと、体をさびさせてしまうのです。これを、僕たちは「老化」と呼びます。ああ……歳はとりたくないと言っても、体内に活性酵素がたまってしまうと、実年齢よりも老けて見えてしまうなんてことも少なくありませんよ……?
ぜひ味噌の力を借りて活性酸素から身を守り、健康的な体を維持しましょう。