未病ってなに?
最近、巷で聞かれるようになった言葉、「未病」。今や長寿番組となったビートたけしさんが出演する『本当は怖い家庭の医学』でも、よく「未病」という言葉が登場しますね。
――この言葉、実際には、どのような症状を指すのでしょうか?
「未病」とは、東洋医学の病理概念のひとつです。簡単に言うと、病気のサイン。病気と言うほどではないけれど、病気に向かいつつある状態のことを指しています。例えば、手足が冷えたり、体が疲れやすいと感じたり、胃腸の調子が悪かったり。
これらの不快な症状は、実は病気のサインかも知れません。
健康診断や精密検査などで異常が見つからなくても、症状をなんとなく自分で自覚している場合には、未病の状態である可能性があります。「不調以上、病気未満」の状態、これが、未病なんですね。
これが「友達以上、恋人未満」でしたら甘酸っぱい青春の記憶になりますが、「不調以上、病気未満」でしたら、胸が苦しく世知辛い記憶になりそうです……。
とはいえ、未病は病気ではありません。「恐ろしい病を発症するかもしれないサイン」なので、まずは病気になることを予防するようにしましょう。
病気になる前に治療する。
この予防医学の考え方こそが、東洋医学の真骨頂です。
医食同源の考え方
「医食同源」という言葉があります。これは、毎日の食事でバランスのとれたおいしいものを食べることによって、病気にならない体を作ろうという考え方です。元々は中国漢方で使われていた言葉がベースとなっていますが、実は日本で作られた造語なんですよ。
実際、日本には古くから伝わる伝統食品も多く、食事への関心と言えば、健康に直結するものが多いという印象。僕が猛烈に推している味噌も、伝統食品の代表格です。
特に和食は、何気なく食べているようでも、体に良い成分を多く含んでいます。ですから、毎日の食事に気を配ることで、健康につなげることができるというわけですね。
健康的な生活をするためには、
- 栄養バランスのとれた食生活
- 適度な運動
- 質の高い睡眠
- ストレスレス(声に出すと言いにくいですね……)
がポイントになります。
中でも、食生活の影響が大きい「食べすぎ・飲みすぎ」は、体にとっての負担も大きくなります。注意しましょう。
何を食べたら健康になる?
未病を解決するための一番の方法は、毎日の食事です。
先ほどご紹介した「医食同源」という言葉よろしく、食べ物で健康を保つという考え方は、中国でも昔から論じられてきたもの。「食養生」などとも呼ばれていますね。
規則的な食生活というスタイルはもちろん大事ですが、健康のために何を食べればいいかも大切になってきます。
僕たち人間の体は、一定の食材を摂取しているだけでは、すぐに不調を起こしてしまいます。いくら健康に良いとされている食材でも、それだけを食べ続けるのは未病の元。
つまり、バランスの良い食材を調理しおいしく食べることこそが、未病を防ぐためには有効な方法となります。
とはいえ、体調が思わしくない日や食欲がない日もありますよね。そういうときには、体質にあった食材やメニューを選ぶと良いでしょう。
例えば、腹痛のときにはどうしたらいいでしょうか。「腸すっきり!腹痛に永久にさよならを告げる食材」にそのヒントがありますので、よかったら読んでみてください。
「未病」と一言でまとめても、人それぞれにさまざまな症状があります。
まずは、自分の体質を理解することから始めましょう。体が冷えるのであれば温かいものを、逆に熱くなるのであれば冷えるものを、といった具合に選ぶことが大切ですね。