意外にも女性に多い高血圧
健康診断の結果を見るときって、「うわぁ〜、今回の結果はどうだろう?」なんてドキドキしちゃいますよね。気分はまるで、期末テストを返されるときの学生のよう。
大人になっても学生気分が味わえる……なんて甘酸っぱいものではなく、自分の体の状態を知るためには、客観的に検査結果を受け止める大人のココロも必要になります。
正直に言って僕も、若いころには体重が気になって気になって仕方ありませんでした。女性の皆さんの中にも、検査結果で一番に気になるのは「体重」だという人もいるのではないでしょうか?
ですが最近は、年齢を重ねるとともに、体重よりも血圧が気になるようになってきました。特に女性の場合、若いころに血圧が低めだったと言う人でも、今になって健康診断で「血圧が高い」という項目に引っかかってしまったという話をたびたび耳にします。
実際問題として、更年期には高血圧になる人が多いと言われています。
女性の高血圧症の有病率を年代別に見ると、30代まではごく少数なのに対して、40代、50代となるにしたがって少しずつ増え、60代では半数を超えてしまいます。こうなってしまう大きな原因が、「更年期」に潜んでいるのです。
更年期になると高血圧になるのはなぜ?
「更年期」の主な原因は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少によるホルモンバランスの乱れだと言われています。めまい、動悸、イライラ、頭痛、ほてりなどがよく報告される症状ですね。
それと同時に起きているのが、「高血圧」です。この高血圧の原因も、同じくエストロゲンの減少です。エストロゲンが減少すると、身体の血圧のコントロールがうまくいかなくなってしまうのです。
更年期の高血圧の特徴
更年期高血圧には、一般的な高血圧とは少し異なる点があります。
一般に「高血圧」と言われるものは、主に血圧が常に高い状態の人を指します。ですが更年期高血圧の症状は、1日の中で血圧が高くなったり低くなったりを繰り返す、不安定なものです。
更年期になると、ホルモンバランスの乱れから特有の不安やストレスがたまってきます。それによって、体と心にさまざまに現れる症状のひとつが、更年期高血圧です。
更年期高血圧は他の症状と一緒に表面化することが多いので、早めに治療を受ける必要があります。ただし、高血圧は内科や循環器科で受診するのに対して、更年期障害は婦人科などが対象となるため、思うような治療効果が出ないときもあります。
更年期高血圧の対策
血圧が不安定になってきたと思ったら、まずは更年期高血圧を疑いましょう。よくありがちなのが、一時的に血圧が上昇したのだと思って放っておいてしまうパターンです。これは下手をすると慢性化してしまいますので、注意が必要です。
また、更年期が過ぎれば高血圧も終わる……というのも大間違い。残念ながら、高血圧症はそのまま継続されてしまいます。高血圧症を放置してしまうと動脈硬化を促進し、結果として、脳卒中や心筋梗塞といった病気のリスクを抱えてしまうこともありえます。
まずは更年期高血圧を治療して、年齢を重ねても高血圧症にならないように予防することが大切ですね。
毎日定期的に血圧を測ってみると、血圧が1日の中でどのように変化するかがわかります。急に血圧が上がったときの記録もとっておけば、病院に行ったときの良い判断材料になりますので、的確な治療を受けることができます。
更年期高血圧は、食生活や運動習慣などの生活改善によって軽減されます。一般的な更年期に関しては、「これ、ひょっとして更年期?代表的な2つの症状」を参考にしてみてくださいね。