「よぐござったなや。山形へ。」
庄内地方からスタートした山形FOOD紀。
僕は今回の旅行を通して、ご当地漬け物を食べつくす旅に挑戦しようと決意しました。
このたび訪問したのは、山形県。
山形県と言えば、日本国内でも有数の米の産地。
そして、おいしい日本酒が数多く作られている地域でもあります。
僕の持論ですが、米の産地には必ずうまい漬け物がある! 今回の山形旅行も、その土地に伝わる「絶品のご当地漬け物」を探しながらの旅となりました。
そこで出会ったのが、山形県特産の青菜を使った「おみ漬け」。
いわゆる葉物系の漬け物で、色鮮やかな緑色はなんとも美しい!
もともとは山形県内でも内陸部の郷土料理だそうで、余った野菜くずなどを無駄にしない方法として伝わってきたものだそうです。山形特産の青菜と大根やにんじんと一緒に漬け込む方法を近江商人が言い伝えたことから、「近江漬け」と呼ばれるように。
さらに訛って「おみ着け」と呼ばれるようになったそうです。
今でも場所によっては、「近江漬け」という名前でも販売されています。
今回は、そんな山形のソウルフード「おみ漬け」について紹介します。
おみ漬けに使われるのは「山形青菜」
山形県民のソウルフード「おみ漬け」に使われているのは、山形青菜(やまがたせんさい)です。僕は広島県出身なので、思わず“あおな”と呼んでしまいました。
漬け込む前の山形青菜は、食べてみると舌に残る独特の辛味があります。漬け物に使われる青菜は1株が500gほどの大きさで、背丈も70~80cmと葉物野菜の中でも大きめのサイズをチョイス。
干した青菜に干し大根葉・大根・人参を加え、塩・しょうゆ・みりん・砂糖で漬け込んだものが、「おみ漬け」となります。
おみ漬けは家庭によってアレンジも
漬けあがったおみ漬けは、茎の部分はしゃきしゃきと歯ざわりもGOOD。
干した大根葉や大根が良いアクセントとなり、ほんのり甘めの味付けがなんとも言えないおいしさを醸し出しています。
この「おみ漬け」は、山形県全域で漬けられているソウルフード。
ですから、漬ける地域によってそれぞれ独特の、家庭の味が存在します。
しその実を一緒に漬け込む地域も多く、しそのサッパリとした風味が食欲を増す仕上がりに。辛味を出すために唐辛子を一緒に漬け込むこともあり、ピリリとした辛味はご飯のお供だけでなく、お酒にもうってつけ!
特に、山形のおいしいお米や日本酒との相性は抜群に良いですよね~。
僕個人としては、やや甘めの味付けのおみ漬けは、ご飯のお供に。
辛味がきいたおみ漬けは、お酒のお供として楽しみたいものです。
おみやげ用のおみ漬けの選び方
写真は山形県の郷土料理「からかい煮」です。
山形県を訪れた際、ぜひ一度は味わっていただきたいおみ漬けは、おみやげ用にも市販されています。
ここでは、おみ漬けを選ぶときのポイントを紹介します。
おみ漬けは、青菜を丸ごと漬けています。ですから、葉っぱ部分の柔らかく風味が染みこんだ部分と、茎のしゃきしゃきとした食感の両方を楽しむことができます。
本場・山形では、おみ着け全体を切って混ぜて出している飲食店も多いですが、家庭ではぜひ、葉の部分と茎の部分を食べ比べてみてください。
さらには、おみ漬けを使って、山形の郷土料理にも簡単チャレンジ!
油揚げや水煮の大豆を準備し、おみ漬けは適度な大きさに切りましょう。
熱したフライパンでこれらの材料を炒め、醤油やみりんで味を調えます。
すると、山形県の郷土料理「くきな煮」が完成!
残ったおみ漬けも捨てずに大切に食べる、山形県民の知恵と工夫が詰まったメニュー。味わい深く、ご飯やお酒のお供にぴったりですよ。