インドの首都・デリーに到着した僕が最初にやらなければならないことは、ビザの申請でした。

 

しかも、パキスタンとイランの2カ国分。イランのビザはパキスタンでは取れないらしく、そのためにわざわざデリーまで戻ってきたバックパッカーもいるくらいだったので。

 

ビザの発行には1週間くらいかかると見越して、デリーに到着したその日のうちに申請してしまおうと僕は考えていました。リクシャーを拾って、日本大使館まで頼みます。

 

しかし、このリクシャーが最初の敵キャラ。

 

しまった! と気づいたときにはすでに遅く、怪しげな土産物屋の前で停車し、店の中からは刃物を持った男たちがぞろぞろと出てくる始末。死にもの狂いで、走ってその場を逃げました。

 

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リクシャーが怖くなった僕は、続いて、タクシーを止めて交渉することにします。インドでは、料金を事前交渉で決めるんですよね。「10でOK」と快諾され、すんなり日本大使館へ。さすがはタクシー!

 

ところが、このタクシーも敵キャラで、到着するやいなや、「10は10でも、10ドルだ」と運転手が詰め寄ってきます。僕は完全にキレ、強引に10ルピーを渡して、大使館へ入りました。

 

さて、パキスタンとイランのビザ申請も無事に終わり、その日の夕方、僕はパキスタン帰りの日本人たちと飲むことになりました。

 

すると、みんなが口を揃えて、「お前はパキスタンではモテる」と言うではありませんか。しかも、女ではなく、男に! ……どうやらパキスタンには男性の同性愛者が多いらしく、彼らが好む容姿に僕がドンピシャなのだとか。

 

彼らの話では、パキスタンのホテルは忍者屋敷さながらで、壁がクルッと回って男が出てくるとか、タンスの引き出しから男が出てくるとか……いや、冗談じゃなくて、本当に体験した人もいたんです!

 

身の危険を感じた僕は、帰りにクリケットのバットを購入しました。これでパキスタンへの装備は完了! と、その場では自分に言い聞かせるしかなかったのです。

 

その後、なんだかんだでインドでの生活を1ヶ月ほど楽しんだ僕は、出国の前日、公園で耳かき職人に出会いました。日本から耳かきを持ってくるのを忘れていたこともあり、せっかくなので頼むことにします。

 

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これが終われば、パキスタンへ向かう自分。恐ろしくもあったインドでの最後のひとときを、耳かきの気持ち良さと共に実感します。緊張の糸が緩み、思わずウトウトしていたところ、「追加料金払わねえと、鼓膜破るぞ」という、恐ろしい一言が。

 

――そう、こいつこそが、最後の敵キャラだったのです。
僕は、泣く泣くお金で解決したのでした。

 

翌日、僕はパキスタンとの国境の街アムリトサルへ向かう夜行列車に乗りました。

 

1カ月の間、滞在したインドを、ついに出国です。

 

(つづく)

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