「全国各地には、まだまだうまいもんがある。」
僕が旅に出るときには、必ずこのように自分に言い聞かせています。
それこそ、古くから伝わる伝統料理である“漬け物”も、時代にあわせて新しい物が誕生していますよね。例えば、セロリの漬け物なんかは歴史は浅いですが、浅漬けにして食べると非常にうまい!(歴史の“浅さ”と“浅漬け”をかけてみたけど、わかるかなぁ……わからないだろうなぁ……)
そんな想いを持って、このたび僕が足を運んだ旅行先は、青森県。
――ええ。寒い季節に、あえて雪深い青森県に行きましたよ!
さて、青森県と聞いて、みなさんはまず何をイメージしますか?
僕はと言えば、真っ先にリンゴを思い浮かべました。
しかし一方で、忘れてはならない「高級品」があります。
それは――「にんにく」。
青森県は、日本国内でも有数の、ブランドにんにくの生産地なのです。
にんにくは漢方にも使われるほどの、強い滋養強壮効果があります。さらには香辛料としても優秀ですし、何よりも食欲をそそる味がたまりませんよね。
欠点と言えば、特有の香りでしょうか……。にんにく料理を食べたあとは満足しつつも、自分の口臭や体臭に悩まされるものです。
そんな「にんにく」ですが、青森県の特産品には、にんにくを生のまま漬け込んだ「にんにく漬け」というものがあります。ほほう……なんとも惹かれますねえ。
そこで、今回紹介するのは青森FOOD紀「にんにく漬け」をピックアップ!
にんにくが好きな人も苦手な人も……まあ、物は試しです。
あなたの知らない「にんにく」の世界が、ここにあるかもしれませんよ!
国産にんにくのほとんどが青森産!?
さて、青森県を訪れた目的は、ずばり「にんにく」です。にんにくは日本各地で栽培・販売されていますが、全国でも第1位を誇るのが青森県なのです。
もともと日本で栽培されていたにんにくは、破片が12個あるタイプのもの。現在でもスーパーでお手ごろ価格で販売されているにんにくの大半が、こちらになります。
ですが、青森県の福地村では12片ではなく、それよりも大きな6片のサイズの「福地ホワイト6片」の栽培に成功!
これが、青森県産のブランドにんにく誕生の瞬間です。
にんにくはもともと、温暖な気候よりも冷涼な気候を好み、暑さに弱いという特性を持っています。ですから、夏は涼しく冬は寒冷地となる青森県の気候が、にんにくにとって最適な環境となっているのですね。
そんななかで誕生したのが、今回ご紹介します「にんにく漬け」。
青森県内でメジャーなのは、にんにくを醤油で漬け込んだ“しょうゆ漬け”ですね。ついで、“味噌漬け”も人気があります。最近は、シソなどで風味をつけたにんにく漬けも人気が高いようですね。にんにくは白いため、それぞれ染めた物の色をしていてきれいです。
にんにく作りは手間隙かかる!
にんにくの産地である青森には、にんにく農家もたくさんありますし、ブランドにんにくの栽培も盛んです。
ですが、僕たちが当たり前に口にしている「にんにく」を育てるためには、実は非常に手間隙かかる作業工程が必要となります。
まず、にんにくは豊富な土壌に根を張り、そして実をつけます。にんにく畑を見ると、パッと見た目はネギ畑のような印象を受けますね。育てている途中に必要となる、「とう立ち」した花蕾を摘みとるのも手作業です。
さらに、収穫まで大切に育てたにんにくですが、出荷するまでにも時間かかります。根っこを切るのはすべて手作業、さらに出荷前には乾燥させなければならないのですが、雨露に濡れてしまわないよう、しっかりと管理しなければなりません。意外と大変なんですね……。
にんにく漬けの、気になるお味は?
(出典先:にんにく醤油漬け| にんにくや岡崎商店《岡崎屋公式》)
青森県でとれたにんにくを、醤油や味噌といった調味料で漬けたものが、「にんにく漬け」です。
1粒口に含むと、にんにくの風味に加え、醤油の良い香りが口いっぱいに広がります。さらに、ポリポリという食感もたまらないですね。にんにく本来の素材の風味がとても生きているので、白米のお供はもちろん、ビールとの相性も最高!
味噌やシソで漬けたにんにく漬けも、同様のおいしさ。いずれもまずはにんにく自体の味わいが口に広がり、あとから漬け込んでいる調味料の味が感じられます。ですから、漬け込んでいる調味料は、自分が好みの味を選ぶと間違いないかもしれません。
注意点としては、おいしいからと言って、あまり調子に乗って食べ過ぎないようにしましょう。にんにく自体はなかなか刺激が強い食べ物ですから、食べ過ぎると胃腸が荒れたり、下痢を引き起こしたりしてしまう人も少なくありません。
2015年9月には、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんが、にんにくの過剰摂取が原因で病院に担ぎ込まれたなんてニュースもありました。
元気いっぱいになれるにんにくですが、適量がおすすめ。
お薬ではございませんが、用法用量を守って、おいしく食べましょう!