これまでに僕は、北は北海道から南は九州まで、全国各地を旅行してきました。その都度、旅行先で見つけたいわゆる「うまいもん」をブログなどで紹介しています。
特に最近力を入れているのが、当ブログ。
ええ、全国各地で見つけたおいしい漬け物を紹介してまいりました。
そこで、ちょっとしたことに気がついたんですよ。
「――あれ? 漬け物って、一定の法則があるのか!?」なんてね。
日本各地津々浦々、さまざまな場所を旅してまわって気がついた、日本に根付いている漬け物の知恵には、共通点があるのではないか、と。
そこで今回は、少し閑話休題。
番外編として、「日本漬け物紀行。日本に伝わる漬け方あれこれ」を紹介します。
食べれば食べるほどハマる、漬け物の魅力ってありますよね。
漬け物の種類も、大きく分ければみな一緒。
みなさんも、好きな漬け物を想像しながら、今回の記事を読んでみてください!
漬け物の王道!「塩漬け」
漬け物の王道と言えば、何と言っても「塩漬け」。
日本漬け物の原点かつ、本漬けを行う前の下処理としても使われている塩漬けです。
塩漬けとはその名のとおり、食材を「塩で漬けたもの」となります。塩漬けを行うことで食材から水分が抜け、保存も可能になるという、先人の知恵ですね。有名な塩漬けの漬け物といえば、やはり梅干しは外せませんね。
先日、紀州和歌山の南高梅を使った梅干しを紹介しましたが、そもそも梅干しは、天日干しと塩漬けを組み合わせた、古くから伝わる伝統的な漬け物です。他にも、食卓によく並ぶハクサイ漬けや柴漬けも、塩漬けの仲間となります。
さらに、各家庭で作る「即席漬け物」の多くにも、塩漬けのものが多いですね。さまざまな食材の一夜漬けには塩で漬ける場合が多いですし、市販の粉末を使った即席漬けも、塩漬けと同じような漬かり方です。
何と言っても、原点となるのは塩。
そう、古来より伝わる伝統調味料は、食材の長期保存用にもってこいなのです。
日本ならではの漬け方「ぬか漬け」
世界各国には、さまざまな漬け物があります。
日本は特に漬け物文化が浸透していますから、味のバリエーションも豊富ですよね。
他方では、漬け物の原点は「各家庭に伝わる味」だと感じることもありまして。日本全国に伝わっている各家庭の味であり、今では、ご当地漬け物としても愛されている漬け方――それが、「ぬか漬け」です。
現在は、ぬか床を持っていないという家庭も多いかもしれません。
ですが、数十年前までは、各家庭にぬか床がありました。
ぬか床の基本的な作り方としては、まず、生ぬかと同じ量の水を準備します。水に塩を加え、生ぬかと混ぜ合わせていきます。味噌のような見た目と重さになるまで混ぜたら、ぬか床の完成です。
そこへ昆布や唐辛子などを加え、最初は「捨てる用」の野菜で漬け込みます。作り始めてからは、1日に朝晩の2回、しっかりとぬか床をかき混ぜる必要があり、非常に手間隙のかかる作業が待っています。……が、苦労するだけの価値はありますよ!
また、最初に紹介した「塩漬け」と「ぬか漬け」には、大きな違いがあります。
それは、「塩分」。塩漬けはどうしても塩分濃度が高くなりがちですが、ぬか漬けは控えめです。なので、塩気の強い食事が多い日本の和食文化において、塩分控えめかつご飯のお供になるぬか漬けは、理にかなった漬け物だとも言えますね。
味噌・醤油など調味料を使った漬け物
塩漬け・ぬか漬け以外の製法としては、味噌などの「調味料」を使った漬け込み方があります。これまでにご紹介してきたお土産漬け物の多くも、実はこの「調味料を使った漬け物」に分類されるタイプが多いんですよね。
味噌や醤油も、日本で古くから伝わる伝統的な調味料ですが、それらを使って作られた漬け物は、現代人にもぴったりの食べやすい味付けになっています。だからこそ、全国各地のお土産物ランキングでも、漬け物がたびたび上位に食い込んでいるのでしょう。
さて、今回は、ご当地漬け物の「漬け方」に注目してまとめてみました。
日本には、まだまだおいしい漬け物がある。
漬け物を探す僕の旅も、しばらくは続きそうです。