現代人に欠かせないアイテムといえば、スマートフォン。
このスマートフォンが普及する前は、今でも一部ユーザーから根強い人気を誇る「ガラケー」が主流でした。そのように流行を紐解いていくと、時代の流れを感じることができますね。
とはいえ、「ガラケー1強時代」と呼ばれていた時代は意外と長く、携帯電話会社も名前をたびたび変えています。もっと振り返ると、手のひらサイズで持ち歩ける電話として爆発的にヒットしたのは、PHSの登場によるものが大きかったと言えるでしょう。
ああ……こうして振り返るだけで、約20年ほど前の話になるんですよね……。
ところで、携帯電話やPHS本体には、「レアメタル」と呼ばれる貴重な素材が使われています。携帯電話会社各社が行なっている、使っていない古い携帯電話を回収するサービスは、実はこれを回収するためでもあるのですね。
前置きが長くなりましたが、実は「ビタミン」にもレアな種類があるってご存知ですか?
その名は――「K」!
確かに、ビタミンKってあまり耳にしないですよね。
今回は、レアアイテムならぬレアビタミンである、「ビタミンK」についてご紹介します。
ビタミンKは86歳
あまり耳なじみのないビタミン、それが「ビタミンK」。
ビタミンKが発見されたのは、1929年。
人間の年齢に置き換えると……86歳ですね。……うん、ご長寿だ!
このビタミンは1929年、デンマークでニワトリの実験をしていたH.Damが、偶然発見したものです。特徴としては、油に溶ける性質があり、脂溶性ビタミンに該当します。
ちなみに名前の由来は、ドイツ語の「Koagulation」。
日本語に訳すと「血液凝固」ですね。
この頭文字を取って、「ビタミンK」と名付けられました。
ビタミンKは、大きく3種類に分けられます。
まず「ビタミンK1」と呼ばれる「フィロキノン」は、ほうれん草やブロッコリー、トマトやキャベツに多く含まれるもの。
次に「ビタミンK2」と呼ばれる「メナキノン-4」は、微生物が作るビタミン。チーズなど、いわゆる「動物性食品」に多く含まれています。
最後に「メナキノン-7」は、納豆にふんだんに含まれるビタミンです。
このように、一括りに「ビタミンK」と言っても、細分化すると種類が異なり、含有量が多い食品もそれぞれに異なっています。
ビタミンKって何をするの?
これだけではまだ、「ビタミンK」が何たるかはよくわかりません。
ビタミンと聞いて思い浮かぶ性質と言えば、例えば「肌を綺麗にする」だったり、「血液をサラサラにする」だったりといったものなのではないでしょうか。
しかし、ビタミンKに関しては、もっと大事な働きを持っています。
ビタミンKの三大機能として、「血を止める」「骨を丈夫にする」「動脈の石灰化を防止する」という性質が挙げられます。――これまでの「ビタミン解説シリーズ」とは、少し違った印象を持ちませんか?
第一に、「血を止める」機能。名前の由来にもなっているとおり、ビタミンKの主な働きは血液凝固です。
第二に、「骨を丈夫にする」機能。ビタミンKが不足すると、骨粗しょう症の引き金にもなりかねないので、予防のためにもきっちりと摂取する必要があります。
第三に、「動脈の石灰化を防止する」機能。通常、血液は血管の中をスムーズに流れていますが、たとえ健康な人であっても血管内に小さな塊ができてしまうことがあります。
これが、血液の“石灰化”。血管内の小さな塊は、健康な人であればそのまま取れて、尿などによって体外へ排泄されます。ですが、その塊が大きくなってしまうと動脈硬化などの病気の原因にもなりかねません。ビタミンKは、その“石灰化”を防止してくれる存在なのです。
食べ物を組み合わせて上手に補給しよう
血液のため、骨のため、そして体のために、「ビタミンK」を摂取する必要性をお伝えしてきました。
他方では、食事の基本ですが、何かの栄養素ばかりを偏って食べることはおすすめできません。栄養バランスの良い食事を心掛けてこそ健康が維持できると、僕は考えています。
そこで最後に、ビタミンKの「油に溶けやすい」性質を活かした食べ方を考えてみましょう。
ビタミンKを豊富に含む食材としては、ほうれん草やブロッコリー、トマトなど、サラダに適した野菜も多いので、ここはあえて「ノンオイルではないドレッシングを使ったサラダ」なんていかがでしょうか?
コレステロールが高いと敬遠されがちなマヨネーズですが、材料は卵・酢・油という、非常にシンプルなものです。適量であれば栄養面でも万能ですから、マヨネーズを使ったサラダが簡単でおすすめですよ。
また、ビタミンKを摂取したいと考えたときに欠かせない食材が、納豆です。納豆には大豆イソフラボンや天然酵素など、他の栄養成分も豊富に含まれています。1日1パックを目安に、毎日摂り続けたい食材のひとつだと言えますね。
――そうそう。赤ちゃんは、特にビタミンKが不足してしまいがちです。
以下の記事も、よかったら参考にしてみてください。