当ブログで酵素の話をしていると、高確率でこんな質問がやってきます。
「酵素酵素ってよく聞くけれど、食べ物も洗剤も同じ酵素?」
確かに、最初は僕も不思議に思いました。
日本人は綺麗好き。学生時代から清潔感を重視し、学生服としてYシャツやブラウスを着用していた人などは、汚して帰ったとしても、毎日きっちり白くなるまで洗濯していたのではないでしょうか。
これが社会人になると、Yシャツだったり仕事用のユニフォームだったりと着用するものも変わりますが、できるだけ清潔に保とうという精神は変わらないのではないかと思います。
そんなときに注目したいのが、衣類用の洗剤によく記載されている“酵素パワー”。
そこで今回は、そんな「酵素」をピックアップ!
食べ物にも洗剤にも含まれる「酵素」とは、いったい何者なのかという部分に重点を置いて、おさらいしてみましょう。
食べ物も洗剤も同じ酵素!?
「酵素」とは、簡単に言えばタンパク質の一種。触媒作用のあるタンパク質で、性質としては「決まったものにしか反応を示さない」という特性があります。
ここで注目したいのが、洗剤に含まれる酵素です。
「決まったものにしか反応を示さない」という触媒作用を酵素は持っていますから、洋服の汚れを落としやすい「酵素」を洗剤に混ぜることによって、その効果が期待できるわけです。
有名な例としては、リパーゼ・プロテアーゼ・ステインザイムが有名ですね。リパーゼは皮脂を、プロテアーゼはタンパク質を、ステインザイムは食べこぼした汚れを分解する作用を持っています。
これらの成分をバランスよく配合することによって、1回の洗濯で汚れを十分に落とすことができる――というわけです。
人間の体内でも酵素は同じ反応をする
そんな酵素ですが、これは僕たちの体の中にも含まれていまして、体内の酵素が少なくなると体調不良に陥ってしまうこともあります。
僕たちはなんとなく「酵素は体に良い」というイメージを持っていますが、この説が確立されたのはつい最近。1985年、アメリカの医学者であるエドワード・ハウエル博士が書いた「酵素栄養学」という書籍中の、食事と酵素についての記載が原点となっています。
人間の体の中に存在しているのは、「消化酵素」と「代謝酵素」の2つ。
「消化酵素」には食べ物を消化する作用があり、「代謝酵素」は人間が生きていくうえで欠かせない代謝を行う酵素です。“代謝”と言われるとちょっとピンとこないかもしれませんが、エネルギーを体内で効率的に動かす機能のことを指します。
人間の体に常在している酵素はこの2つ。
ですがもう1つ、よく耳にする酵素があります。
それが、次に説明する「食物酵素」です。
――「3種類の酵素がある」と言われても、よくわかりませんか? でしたら、以下の記事もあわせて読んでみてください。
「酵素は「よく分からない」健康食品ではありません(本物なら)」
食物酵素は食べるしかない!
消化酵素と代謝酵素は、僕たちが「食べたもの」から作られます。体内に吸収された栄養が腸内などで分解されるとき、その一部が新たな酵素として働き始めるのです。
では、もう1つの「食物酵素」はどうでしょう。
こればかりは、体内で作られる酵素ではありません。ですから、酵素を含んだ食品を「食べて増やす」しか方法は残されておりません。
そして忘れてはならないのが、すべての酵素に共通して言える弱点のこと。
――そう、酵素と言えば、「熱に弱い」んでしたよね。
人間の体内、つまり深部体温は37度前後です。この温度でしたら、酵素も活発に動ける環境だと言えます。食べ物に含まれる酵素は、沸騰した湯につけると死滅してしまうものがほとんどです。
なので、生野菜や果物などの常温で食べられるものを選んで、賢く効率的に酵素を体内に取り込む習慣をつけたいところですね。
――嗚呼、最後まで「効率厨」のような〆になりましたが、そこは忙しい現代人。
口うるさくならない程度ならば「効率重視」も悪くないと、僕は考えています。