ミネラルオイルは悪じゃない
この頃、いろいろな場面で見かける魔法の言葉があります。
それが、「○○○フリー」。
この「フリー」という言葉をつけると、その前の「○○○」が、なぜだか無条件で悪者になってしまう――そんな気がしませんか?
不思議なことに、ビールなどの酒類で「オールフリー」と聞くと、なんとなく体に良さそうなイメージがしますよね。
ところが、これが美容関連になると、なぜか悪いイメージに。その悪いほうのイメージで被害を受けているのが、ミネラルオイルです。簡単に言えば、「鉱物油」を指します。
別にはっきりと「悪」である理由を知らないのに、なんとなく悪いイメージがついてしまっているのではないでしょうか。
でも、実際のところは、ミネラルオイルは決して「悪」ではありません。
僕たちの周りでは、いろいろなところでミネラルオイルが使われています。例えば、ホッと一息つくバスタイム。その中に入れるバスオイルの多くに、ミネラルオイルが使われています。
そもそもミネラルオイルが良くないと言われていたのは、1970年代の話だそうです。
当時は精製度が低く、不純物をきれいに取り除くことができないまま、ミネラルオイルを使っていました。この不純物のたちが悪く、紫外線が当たると油焼けしたり、色素が沈着したりしていたそうです。
ですが、今は技術も進歩し、ピュアと言ってもいいくらいにミネラルオイルの不純物は取り省かれていますし、ミネラルオイル自体、なんら悪いものでもないのです。
ですから、ミネラルオイルが含まれているからと言ってその化粧品を使わないのは、もったいないと僕は思います。
あのワセリンだって、ミネラルオイル
赤ちゃんの乾燥肌対策に、病院で処方されているワセリン。あれもミネラルオイルです。お肌の調子がいまいちなときには、男女性別を問わずに大活躍しますよね。
皮膚科で処方される軟膏にも、ワセリンベースのものはたくさんあります。ワセリンの安全性がわかっているからこそ、赤ちゃんに対しても病院が処方しているわけです。これは、ミネラルオイルの恩恵以外の何物でもないですよね。
先ほども書いたように、現在市販されて使われているミネラルオイルは非常に安定しており、それを含んだ製品も酸化することがなくなってきました。
ミネラルオイルの特徴は、肌に一切浸透しないこと。ミネラルオイルが肌にバリアを作るような形になり、細菌をはじめとする外部の刺激から肌を防御してくれているのです。だからこそ、ワセリンを塗って肌を守るのですね。
何と言ってもワセリンは、産まれたての赤ちゃんにもOK、肌の弱い人にもOK、もちろん普通の大人にもOKという、誰もが使用できる魅力があります。ちょっと話が横道に逸れてしまいますが、ミネラルオイルの代表選手・ワセリンの使い方もご紹介しましょう。
ミネラルオイルの保護膜を活かしたワセリンのすごさ
ワセリンは、ミネラルオイルの特徴である保護機能を最大限に活かした使い方をするのが、もっとも効果的です。
そのひとつが、ハンドクリーム代わりに使うこと。
ワセリンが水を弾いてくれるため、塗ることで手をしっかりとカードしてくれます。手や指に少しずつなじませるように塗りますが、そのときにマッサージをするのもおすすめです。お風呂上がりに塗ってそのまま寝ると、翌朝、すべすべお肌を実感できます。
朝の乾燥で気になるもうひとつの場所が、唇。リップクリームにもいろいろありますが、効果的なのは、夜の唇パックですね。ワセリンを蜂蜜と混ぜて唇に塗り、その上からラップをして、5分から10分ほど置くだけで、ひび割れ唇とおさらばできます。
もちろん、赤ちゃんと同じように、ボディローションとして使うのも良いですね。特に乾燥する冬場は、朝晩の2回、ボディに塗ると効果的です。
最後におすすめしたいのが、僕の一番の利用法、花粉対策。
ワセリンを鼻の穴の中にコソッと塗っておくと、ワセリンが花粉をキャッチしてくれるので、花粉が鼻の粘膜にくっつくのを防いでくれるのです! 綿棒を使ってちょちょいと塗ってから、マスクをするだけで効果抜群。
最近は専用の薬もでてますが、ワセリンで代用するのも選択肢のひとつです。
――長くなりましたが、噂に聞くミネラルオイルも「ワセリン」の名前を出して考えると、そんなに悪いやつではないことがわかってもらえたのではないでしょうか。
ワセリンは、オールマイティーに使える万能アイテム。……ですが、あくまで肌表面の水分が蒸発しないように「保護」することを目的としたものです。大人がワセリンを使う際には、しっかりと化粧水などで水分補給をしたあとの使用がおすすめです。
肌の保湿に関しては、「肌が水を飲む如し!保湿力を格段にUPさせる3つのメニュー」でもご紹介しています。ぜひ、あわせて読んでみてくださいね。