厚生労働省がさじをなげた積極的な保健指導
「生活習慣病」をご存知ですか?
――なーんて質問を、今更になってする人はいませんよね。
生活習慣病についてしっかりとした説明はできなくとも、我が身に迫っている身近な危険として感じている人も多いことでしょう。
社会現象とも言えるこの生活習慣病に対して、「どうにか対策を!」といろいろやってきたのが、厚生労働省です。もちろん、社会健康を第一に考えてのことだと言いたいですが、実際のところは、年々増加する医療費削減対策でもあるわけです。
これって実は、かなり深刻な問題なんですよね。
日本人の平均寿命は年々延びており、高齢者の数もどんどん増えています。日本語には「衰弱」という言葉がありますが、人間は老いるとどうしても体力が落ち、健康を維持するのが難しくなります。
すると、どうでしょう?
国全体で負担する医療費が大変な額になることは、容易にイメージできますよね。
さらに、高齢者の医療費を支えている若い世代でも、健康な人の割合が減っているという現状があります。
厚生労働省は生活習慣病の対策として、ある研究をしてきました。高い確率で生活習慣病を発症する恐れのある人を対象に、さまざまなアドバイスを行うことによって、重篤化するのを防止できないかという研究です。どうにかして突破口を見つけたかったのです!
――ですが、5年間。
わずか5年間で3億円をかけたにも関わらず、思ったような研究結果を出せず、今年に入ってこの研究を止めることにしました。結局、生活習慣病に対する抜本的な対策が見えないまま、手探りを続けるだけという結果に終わったわけです。
生活習慣病に引っかからない「健康な人」は、たった6.6%
厚生労働省が保健指導によって生活習慣病対策の試行錯誤を繰り返している間にも、現実に生活習慣病に悩む人たちの数は増え、「健康な人」はどんどん減っています。
人間ドックを対象にしたデータでも、1984年には29.8%だった「健康な人」の数は、2014年には6.6%にまで減少しています。
しかもその原因は、受診者の高齢化というよりも、食生活の欧米化や社会のストレスによる生活習慣の悪化、運動量の低下などが考えられています。しかも、それらの症状は年々増加する傾向が見受けられます。
人間ドック受診者のほとんどは、普段は普通に生活している労働者です。その労働者10人のうち9人(以上)に何らかの異常が確認できるという事実は、現代人の生活習慣病リスクの高さを証明するのに、十分な数字となっています。
しかも、これは決して他人事ではありません。
人も厚生労働省も頼れないなら、自分で自分を見直そう
「人間ドックを受けて何かしらの検査に引っかかったら、ちょっとは気にしようかな?」
――などと、こんな悠長なことを言ってはいられません。今や普通に生活しているだけでも、生活習慣病のアリ地獄に迷い込んでしまいかねない社会となってしまっているのです。
「進歩しなければ、後退と同じ」という言葉を聞いたことがありませんか? まさに、今がその状態です。今のままでは、ふと気づいたときには生活習慣病のリスクにどっぷりと浸かり、抜け出ることが不可能に近いほどになりかねないのです。
大切なのは、普段から生活習慣病を寄せつけない生活を心がけることです。もちろん、急に「ああしろ、こうしろ」というわけではなく、「ちょっとだけ」から始めてみましょう。
ちょっとだけ運動する。ちょっとだけ早歩きをする。ちょっとだけ早寝する。ちょっとだけ食事に気をつける。ちょっとだけお酒を控える日をつくる。ちょっとだけタバコを減らしてみる――。
そして、大切なストレス対策を最後にひとつ。
「ちょっとだけ、深呼吸をしてみる」
体の調子が悪いというときには、漢方を試してみるのもいいかもしれません。以下の記事でご紹介していますので、良かったらあわせてご覧になってみてくださいね。
「西洋薬だけに頼らない!体のバランスを整える漢方薬のすすめ」
はま通信の読者なら、きっとご自身の健康についても人一倍気を遣われているはずです。ぜひ日々の生活で“ちょっとだけ”を心がけてみてください。