普段は主に都道府県に絞って紹介している日本FOOD紀ですが、今回は少し広い範囲で人気の商品を取り上げようと思います。
テーマはずばり、「九州FOOD紀」。
九州と言えば、福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県で構成されている地方です。この7県だけでも豊富なテーマがありますが、今回はそんな九州地方を中心に愛されている、とある「清涼飲料水」を紹介します。
全国的には、「暑い夏に飲むつめたーいドリンクと言えば?」と質問すると、子供たちから「カルピス!」なんて答えが返ってきそうですよね。ですが、九州地方を中心に、カルピスに引けを取らない人気の乳酸菌飲料があることをご存知ですか?
その名を、「ヨーグルッペ」と言います。
全国的にも知名度が高くなりつつある「ヨーグルッペ」。南日本酪農共同株式会社が作っており、同企業で他にも有名なドリンクといえば「愛のスコール」シリーズがあります。
今回の九州FOOD紀で紹介するのは、今、全国で密かなファンが増加中のヨーグルッペです。新海誠監督のアニメーション映画『秒速5センチメートル』や、漫画家・田村隆平さんの作品『べるぜバブ』でも、商品名やパッケージ画像がアレンジして使われているドリンクです。
九州地方では定番となっている、「ヨーグルッペ」の世界を覗いてみましょう。
What’s ヨーグルッペ?
……写真はヨーグルトですが(笑)
さて、九州地方ではメジャーなドリンク「ヨーグルッペ」。
スーパーはもちろん、学校などに設置されている紙パックの自動販売機でも取り扱われている乳酸菌飲料です。
パッケージは、青を基調とした爽やかさを感じるデザイン。白・青・赤とトリコロールなイメージがありますが、この3色は、製品の特徴を示しているんじゃないかと僕は考えています。
と言うのも、ヨーグルッペは乳製品をベースに作られた飲料。ビフィズス菌・サーモフィルス菌・アシドフィルス菌の3種類を混合した乳酸菌を使用し、発酵させて作られているまろやかな飲み物です。この3種類の乳酸菌が、デザインにも反映されているのではないかと。
商品公式サイトには、「まろやかなヨーグルト風味の乳製品乳酸菌飲料(殺菌)」という説明がありますね。
業界初の挑戦に成功したドリンク
九州では定番の飲み物として愛されているヨーグルッペ。
実はこのヨーグルッペは、業界初の挑戦に成功したドリンクでもあります。さまざまな乳酸菌飲料があるなかで、ヨーグルッペは、天然系の安定剤を乳製品に利用することに初めて成功した商品でもあるのです。
そもそも乳製品を加工するときには、酸乳安定剤などの「添加物」が欠かせません。牛乳などの乳製品は、生のまま一切加工しなければ日持ちしないですよね。ですから、商品として販売されている牛乳は、徹底した衛生管理を経て消費者のもとへ届けられているのです。
ヨーグルッペは、乳酸菌飲料として日本で初めて、「ペクチン」を利用することに成功しました。現在は天然系の酸乳安定剤を使っている製品も多くなりましたが、約30年前は合成系の安定剤が一般的で、天然系を使って商品化したヨーグルッペはセンセーショナルな存在だったのです。
甘い、だが、それが良い
(引用元:「ヨーグルッペ」 デーリィ南日本酪農協同株式会社)
一度飲むと忘れられない味として有名な、ヨーグルッペ。
九州を中心に、中国・四国地方などでも販売されています。
公式が「ヨーグルト風味の飲料」と紹介していますが、実際に飲んでみると、「ヨーグルッペ味だ!」という認識に変わります。
……なんと言いますか、独特な味わいがとってもおいしいんですよね。飲むヨーグルトのような強い風味ではなく、カルピスほどの軽さはない。舌にしっかりと味が残りつつも、甘さと酸味のバランスが良い飲み物です。
2016年6月現在、ヨーグルッペは、商品のバリエーションも豊かになりました。
通常のヨーグルッペに加え、りんごやマンゴーといったフレーバー付きの商品も登場しています。3種類を飲み比べましたが、僕が一番おすすめしたいのは、定番のヨーグルッペですね。
りんごは爽やかな風味が加えられていて、乳製飲料特有の味が少し減っているように思います。マンゴーは乳製飲料との相性もばっちりですが、ヨーグルッペの風味よりもマンゴー味が勝ってしまうので、甲乙つけがたいところ。
さらに、ヨーグルッペの濃厚さを少し抑えて爽やかさをアップした「ホワイトヨーグルッペ」や、新商品の炭酸入り「ボトル缶ヨーグルッペライトソーダ」も販売されています。
九州方面では、スーパーで1パック80円~100円前後で購入できる、お手ごろ価格の商品です。九州地方に足を運んだ際には、ぜひ一度飲んでみてくださいね。もちろん、インターネット販売でも購入できますよ!