運動すればいいのでしょうけど……
「無理なものは無理!」
冷え性の原因は、なんだかんだ言っても血流の悪さにあります。……ちょっと乱暴な言い方かもしれませんね。口が悪くなってしまいました。ごめんなさい。
「冷え性改善の対策」にもいろいろありますが、そのほとんどがこの血流を良くする方法です。
もちろん、手っ取り早い手段としては、きちんと栄養を摂って、しっかりと運動する方法もあります。ですが、「それは無理!」と話す人が、僕の周りにはいかに多いことか!
「小学校のころから運動音痴だったし、大人の今は絶対に無理!」と、大威張りで語る人たちは少なくありません。……ええ、そりゃまあ、誰しも得意・不得意、得手不得手はありますからね。
ですが、運動が苦手という人たちが冷え性の改善を諦めているかと言えば、そういうわけでもないようです。
そういう人たちは、どうしたらいいのでしょう?
とりあえず、まずはちょっとだけでも体を動かしてみましょう。
そもそも「運動」なんて言葉を使うから、自然と忌避感が生まれるわけです。
ということで、運動ではなく「ストレッチ」という言葉に置き換えましょう。
――どうです? これならなんとなく、ゆるーくやれそうじゃありません?
どうして運動しなきゃならないのか
聞くだけで嫌になる「運動」という言葉ですが、そもそも冷え性を改善するためには、どうしても必要な行為なのです。
なぜかと言えば、汗をかいて血流を良くするため。
運動をすると、血行が良くなります。血行が良くなれば、体が温かくなります。さらに、体が温かくなれば、体内の代謝が上がります。そして、新陳代謝があがれば、皮膚温度があがって、末端の血流まで良くなります。
――とまあ、まさに血が体内を駆け巡るがごとく、一気に駆け抜けた感じがありますが。つまりは運動によって、こういった連鎖反応が期待できるわけですね。
加えて、運動は血行だけでなく筋肉をも刺激してくれますので、自律神経が正常に働くようになり、これも冷え性改善に効果を発揮してくれます。
気負わずちょっとだけ、ストレッチ気分で体を動かそう
――とは言っても、無理な運動を始めても楽しくありませんし、長続きもしません。やるからには、継続しなければ効果も期待できません。「継続は力なり」なんて言葉もありますもんね。
そこで、「運動」だと考えずにやれることをご紹介します。
それは、朝の「一駅歩き」。
ただしこれは、都市部にお住いの方、限定の方法となります。田舎でやろうとすると、まず駅まで行くのにかなり歩く人も多いでしょうし、そのあとの「一駅」もまた、とてつもない距離を移動する必要が出てくるでしょうから……。
一方、都市部在住の人でも、そもそも駅を使わないし、通勤・通学はバイクや自動車を使っているケースもあるかもしれません。その場合、バス通勤の方は駅を停留所に置き換え、車の方は乗車前に意識的に歩くことを心がけましょう。
一言で言えば、「ちょっとだけ歩く」を毎日やろうということです。
――なんだ、それなら簡単じゃん! と感じた人も多いのではないでしょうか。
そう、口で言うは易しなんです。この運動――もといストレッチは、「継続」こそが大切。もし続けることさえできれば、これが意外に大きな効果をもたらしてくれるはずです。
寝る前にはお疲れさまと体に言おう
「仕事や勉強、お付き合いなどで疲れて、帰ってきてからも運動しよう!」なんて鬼のようなことは言いません。夜の眠る前に10分間だけストレッチをしながら、体に「今日もお疲れさま!」と言うようにしましょう。
できれば、お風呂に入って体が温まったあとに取り組むと効果的です。それも、たった10分だけ。それ以上は疲れますからね。……ただし、毎日10分は欠かさずに!
具体的な方法は、まず最初に足首をほぐします。右足を左ひざの上に乗せて、軽くトントンと叩いてあげます。そのあと、右足の指の間に左手の指を入れて右に10回、左に10回ほどぐるぐる回しましょう。次に反対の足も同じように行います。
続いて、背中のストレッチは、うつぶせに寝て行います。両手を胸の位置に持ってきて、上半身を我慢できるところまで反って起こします。その状態を10秒間キープして、脱力。これを5回繰り返します。
以上、これをのんびりとやると、ちょうど10分くらいかかるはずです。
……なんとなく、できそうな気分になってきましたか?
「いやいや、もうちょっとやろうよ、さすが少なくない?」という人は、「疲れを翌日に持ち越さない為のストレッチ」を追加してみてください。大切なのは、無理せず、毎日続けることです。今晩から早速、ぜひ取り組んでみてくださいね!