人間は、本能の赴くままに生きていると、一体どのようになるのだろう――?
秋の空気はセンチメンタル。
外を吹く風も涼しくなり、ふと物思いに耽ってみました。
ところで、人間の3大欲求と言えば睡眠欲と性欲、そして「食欲」ですね。
そう、秋は食べ物もおいしいシーズンです。そんななか、“本能の赴くまま”に行動を起こしたと想像してみましょう。自身の食欲が満たされるまで、好きなモノを好きなだけ食べる生活です。食べ過ぎて太ってしまうなんてことはこの際気にせず、ガンガン食べちゃいましょう。
……はい。この「あくまでイメージです」という妄想の世界でも、「おいおい、ちょっと食べすぎはまずいと思う」と自分のなかでブレーキをかけられた人は、きっと現在もバランスの良い生活を過ごせているのではないかと思います。
「一度きりの人生だから、いつかは好きなモノを好きなだけ食べる生活を送ってみたい」と、妄想の世界でも暴飲暴食をしてしまった、そこのあなた! ――そう、あなたのことです。
生活習慣の乱れは、こわーい生活習慣病の引き金になってしまいますよ?
「生活習慣病」とは、具体的には脂質異常症・高血圧・糖尿病・肥満のこと。テレビや雑誌では耳にタコができるほど取り上げられている、現代病の一種です。
この4つの病名を生活習慣病と定義して、別名「死の四重奏(デス・カルテット)」なんて言い方もされています。無駄にカッコよく聞こえますが、ひとたび患ってしまうと完治が難しい病でもあります。
そこで今回は、その病の引き金を引いてしまう前に!
生活習慣病の予防方法について、おさらいしていきましょう。
目に見てわかる生活習慣病は「肥満」
脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満――。
いずれも少なくない患者さんがいらっしゃる病気ですが、特にアラフォー・アラフィフ世代を悩ませているのが、「肥満」です。若いころは標準体重だったのに、気がつけば腹部には貫禄が出てきて、数年前のボトムが入らない――なんて経験はありませんか?
10年ちょっと前に流行った歌のように、「タイトなジーンズにねじこむ」こともできなくなってしまった、ワガママボディに変身してしまった人もいるのではないでしょうか……。
そんな肥満ですが、大きく2つのタイプに分けられます。
ひとつは、「皮下脂肪型肥満」と呼ばれるタイプ。お腹の皮のすぐ裏側に脂肪がついてしまう肥満です。そしてもうひとつは「内臓脂肪型肥満」と呼ばれる、こちらは内臓の周りに脂肪がたまるタイプです。
見た目の特徴としては、前者の皮下脂肪型は下半身が太っているように見え、内臓脂肪型は上半身が太っているように見えます。見た目が細い人でも、実は内臓脂肪型肥満に陥っている人もいる、という話は有名ですよね。
どちらにしても、まずは体重を測定しましょう。
自宅にある体重計で十分ですが、体脂肪率も測れるものがおすすめです。
適正体重を大きくオーバーしている人は、もちろん「肥満」となります。ですが、適正体重を少しオーバーしている「やや肥満」の人や、標準体重の人も要注意!
先ほど説明した「内臓脂肪型肥満」の怖さは、標準体重の人や、やや軽めの人でも見えないところで脂肪がたまってしまっていることにあるんです。だからこそ、体重計では「重さ」だけでなく、「体内に蓄積された脂肪の量」も計測することでひとつの目安になります。
肥満から脂質異常症、そして高血圧へ――
ある程度は予防できる生活習慣病ですが、肥満をきっかけにして、一気にデス・カルテットを招いてしまうケースもあるんです。
まず、肥満になると体内の脂肪量が増加します。そうすると、筋肉と脂肪のバランスが崩れてしまい、臓器や血管を圧迫してしまいます。さらには、目には見えない血管内にも、少しずつ脂肪が蓄積されていきます。
- 体内の脂肪量が増える → 脂質異常症への序章
- 脂肪で血管が圧迫される → 血圧異常の原因に
- 血管内に脂肪が蓄積される → 高血圧の原因に
このように順を追って、生活習慣病へのステップが進んでしまうことがあるのです。極端に言えば、「適正体重や体脂肪率を超えたら、まずは健康的にダイエットしよう!」というわけです。
肥満は万病のもと。
だけど、無理な食事制限はなかなか続きません。
当ブログでは過去に、無理なく無駄なく続けられるダイエット方法を紹介していますので、よかったらあわせてチェックしてみてくださいね。
「はじめて酵素ダイエットに取り組む人が知っておきたい5つのルール」
3つの条件がそろうと発症リスクも上がる「糖尿病」
肥満・脂質異常症・高血圧に至るまでを、順を追って説明してきました。
そもそも、なぜ人は太るのか。
簡単に説明すると、「摂取カロリーが消費カロリーよりも多すぎるから」ですね。加えて、食生活における栄養バランスの乱れも生活習慣病の引き金になりえます。濃い味付けの料理はおいしいですが、糖分や塩分も多くなってしまいます。
死の四重奏の最後、「糖尿病」は完治のない病気のひとつとも言われています。
生活習慣病とされる糖尿病は、正確には「2型糖尿病」と呼ばれています。1型糖尿病は先天的な膵臓機能が低いなどの原因がありますから、生活習慣病とは本質が異なるのですね。
本来であれば、食べ物を口から摂取すると、体内で糖質に変わります。この糖質が体内に入ると血糖値が上昇。体は血糖値が上昇しすぎないように、膵臓からインスリンを分泌します。このインスリンが正常に分泌されず、血糖値が高い状態が続くことで、高血糖状態が続きます。
結果、血糖値の下がりが悪くなり、「糖尿病」になってしまうのです。
糖尿病の恐ろしいところは、「発症時の自覚症状が少ない」という点があります。体が高血糖状態になり、「何となく体がダルい」という小さなサインは出るものの、「体のダルさ」なんて、疲れていたら誰しも感じるものですよね。
多くの糖尿病は、病院での血液検査によって、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を測定することで判明します。逆に言うと、病院で検査を受けなければ、病気を自覚することも治療を開始することもできにくいという、非常に面倒で怖い病気なんです。
――ここまでの説明を読んだら、まずは生活習慣を振り返ってみませんか?
飲みすぎ・食べすぎが多い人や、日常的な運動習慣が少ない人は要注意! 多い傾向にあるのが、食後すぐに横になってしまう人ですね。自ら肥満を招く、悪い習慣のひとつと言えます。
「明日から」と言わず、ぜひ今日から生活習慣を見直してみてください。