――日本人は野菜が大好き。
海外から日本に訪問した外国人にとっては、こんなイメージがあるようです。
海外でも人気の高い時代劇や漫画の影響も一部あるそうですが、どちらかと言えば、和食=ヘルシーという方程式のイメージからきているようですね。
ところが、実際に現代日本の食卓を見ると、むしろ「食の欧米化」が進んでいるようにも見えます。そのせいか、野菜不足による体の不快な症状に悩まされている人も少なくありません。
では、野菜不足に陥ると、具体的にはどのような症状が引き起こされるのでしょうか。
今回は、3段階に分けてご紹介します。
1日の野菜不足が1週間続き、1ヶ月続き、そして……1年続いたら?
そんなことをイメージしながら読んでいただき、食生活を見直すきっかけになればと思います。
野菜不足の第1症状「便秘」
野菜不足に陥るとまず現れる症状が、「便秘」です。
……ええ、多くの人が経験したことのあるだろう、苦しい話をしましょうか。
当ブログでもたびたび「便秘」について取り上げてきましたが、何から何まで書こうとすると、この記事だけでは足りなくなってしまいます。そのくらい、奥が深い話題なんですよね。
まずは、便秘を引き起こしてしまう原因。これは、腸内環境が悪化して善玉菌が減り、悪玉菌が増えすぎてしまうことで引き起こされます。なぜ悪玉菌が増えてしまうのかと言えば、最も大きな原因はやはり「食生活」でしょう。
現代の日本食は、いわゆる「欧米化」が進んだ状態にあります。意識して和食を摂らないと、気がつけば毎回、脂っこい食べ物ばかりを口にしているなんて日もありませんか?
極端な例ですが、野菜や果物を一切摂らず、野菜ジュースも飲まないで3日間を過ごしたとします。――あくまで仮定の話ですから、決して真似はしないでくださいね。
野菜には、豊富な水分や食物繊維、ビタミン類が含まれています。これらの水分や栄養素は、腸内に届くことで整腸作用をもたらします。ですが、3日も充分な栄養素を摂らず、野菜不足に陥ってしまうと、便を体外に排出するために必要な食物繊維も不足してしまいます。
結果、「便秘」として体に症状が現れてしまうわけです。
――さて、怖い話はまだまだ続きます。野菜不足による怖い話は、以下の記事もあわせてどうぞ。
野菜不足の第2症状「貧血」
「野菜不足が貧血を招く」と言うと、多くの人が頭のなかに「?」マークを浮かべます。
どうにも、野菜に「血を作る」イメージがないのでピンとこないようですが、血液を造ったり貯蔵したりするためにも、野菜は必要不可欠です。
「貧血」とは、一般的に血液中の赤血球内にあるヘモグロビンが減ってしまった症状を指します。体の中を巡る血液は、赤血球や白血球だけでなく、体内から出る老廃物や必要な酸素なども運んでいます。なので、ヘモグロビンが現象すると、体の中が酸欠状態になってしまうのです。
貧血に悩まされている人の多くが、「鉄欠乏性貧血」という、鉄分不足が原因に挙げられるものなのだそうです。鉄分を豊富に含む食材と言えば、自然と肉のレバー類や赤身魚が思い浮かびますよね。ですが、野菜にも実は、鉄分を多く含むものが多いんです。
ゆえに、野菜不足によって貧血を招いてしまうケースも、決して少なくはないのです。
野菜不足の第3症状「生活習慣病」
野菜不足に陥ると、便秘や貧血といった症状に結びつきます。もっと付け加えると、便秘が引き金になり、肌荒れやイライラといった諸症状も体に現れます。
そういった症状が現れてもなお、野菜不足が改善されないと、どうなってしまうのか。
最終的に待っているのは、「生活習慣病」です。
野菜が不足すると、体内の血流も悪くなります。血流の悪化は、いわゆる“ドロドロ血”を引き起こしかねないもの。このドロドロ血が現れると、ここまでご紹介した諸症状のみならず、高血圧や動脈硬化にも結びつきかねません。
さらに放置しておくと、栄養バランスの乱れから、痛風や2型糖尿病といった生活習慣病をも招いてしまいます。
風が吹いただけで体が痛むという「痛風」や、体内で上昇した血糖値が下がらず、HbA1cが基準値よりもオーバーした状態が続くことで体内にさまざまな症状を引き起こす「糖尿病」。いずれもひとたび病気を患ってしまうと完治が難しい、怖い病気の代表格です。
これらの怖い症状を防ぐ、たった1つの方法――。
それはやはり、何と言っても、栄養バランスのとれた食生活ですね。
野菜不足はこんなにも恐ろしく、体にさまざまな症状を引き起こします。
健康的な生活のためにもぜひ、毎日の食卓でたくさんの野菜を摂るように心がけたいですね。