糖尿病の死亡率を見ると地域差があるんですね。死亡率の少ない県が中京地域に集まっていたので、糖尿病の主な原因である食に注目して、中京地域の共通する食材について調べたんです。そうしたらすごいことを発見しました!

 

糖尿病防止に日本の伝統食を!

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身近に糖尿病の方はいらっしゃいませんか?糖尿病または糖尿病予備群は40歳以上の3人に1人だそうです。自覚症状がほとんどないので気が付いたときには病気がかなり進行していて、重症の場合は糖尿病網膜症で失明したり、糖尿病腎症で週に3~4回の人工透析が必要になったり、また糖尿病神経障害のため壊疽になった足を切断することもあります。こんなに恐ろしい病気だってご存知でしたか?

 

日本人の糖尿病患者の約95%が2型糖尿病です。原因はストレス、肥満、運動不足や暴飲暴食などの生活習慣からくるもので、それによってインスリンの分泌や、作用する力が上手く機能しなくなって起こる病気です。もともと日本人はインスリンを分泌する量が欧米人に比べて少ないので、現代の欧米化した食事を多くとりすぎれば、糖分の処理が追いつかなくなり、血糖値は上がりっぱなしになります。そして、この状態が休むことなく毎日続くと糖尿病になります。日本人には伝統的な日本食が一番合っているということですね。

 

糖尿病死亡率の統計を見てあることを発見!

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2013年の糖尿病死亡率で全国ワースト1位は徳島県、2位は香川県、3位は福島県でした。徳島県の糖尿病死亡率は、1993年から2013年までの20年間で、ワースト1位を脱したのは2007年の1度だけ。県はこれまで健康対策議会を作り、運動不足の解消や野菜の摂取を呼びかけてきたそうですが、未だ効果が現れないようです。一方ベスト1位は神奈川県、2位は滋賀県、3位は愛知県、4位は岐阜県、5位は京都でした。

 

この統計を見ると、ベスト1位の神奈川県を除き名古屋都市圏と京都都市圏の隣り合った地域で死亡率が低いのが分かります。2位から5位まで地続きの地域はどうして糖尿病の死亡率が低いのでしょうか?これら地域には食を通じた共通点があるのではないかと色々調べていたら、あることを発見しました!

 

豆味噌は糖尿病に効果がある!?

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味噌汁は癌抑制に効果があると言われていますが、糖尿病はどうでしょうか?

 

最近の研究では、味噌の熟成過程で生成される成分メラノイジンが糖分の消化吸収速度を遅くして、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあることを明らかになっています。また、メラノイジンはたんぱく質の消化酵素であるトリプシンを阻害する働きがあることも知られており、これが膵臓機能を促進し、血糖値を下げるインスリンの分泌を盛んにするようです。そのため糖尿病にも効果が期待できることが分かりました。

 

ところでこのメラノイジンは味噌の熟成過程で生成される褐色色素からの成分です。熟成期間が長く、色が濃くなれば、それだけ効果が高いはずです。

そこで気が付きました!味噌の種類のことです。

全国で一般的な味噌は米味噌ですよね。でも愛知県、岐阜県などの中京地域では豆味噌が造られています。豆味噌は材料に米麹ではなく豆麹を使い、米麹を使う米味噌よりも熟成期間が長く、見た目は濃い赤茶色になります。

熟成期間が長い濃い色の味噌ほど糖尿病予防に効果があるのなら、豆味噌を使う中京地域の糖尿病死亡率が低いのは納得です。

 

中京地域の豆味噌の味噌汁

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名古屋と言えば、「味噌カツ」や「味噌煮込みうどん」、黒色の豆味噌である八丁味噌を使った「みそおでん」が名物です。岐阜県なら朴葉味噌(ほおばみそ)が有名ですよね。豆味噌の味は米味噌に比べて甘味が少なく、渋味があり、そしてうまみが強いそうです。そして米味噌では、風味が飛ぶからご法度とされる煮込みも、豆味噌なら大丈夫。そんな豆味噌を使った料理はこの地域の名物料理として、地元の人はもとより訪問者も魅了する美味しさです。

豆味噌を料理に取入れている中京地域ですが、僕は味噌汁が好きだから、この地域がどんな味噌汁を作っているのかが気になったので調べてみました。

滋賀県は「泥亀汁」

すった白ごまを加えた味噌汁で半分に切った茄子を加えてよく煮込んだ味噌汁です。亀を入れたのではなく、茄子がゴマで濁った汁に浮いている様子が亀に見えるから付いた名前だそうで、ちょっと安心しました。

愛知県は「ニシ汁」

イボニシ貝と小魚を使った味噌汁で、すりつぶしてから焼いた豆味噌で調理するそうです。そしてその味噌汁をご飯にかけて食べる、ちょっと変わった食べ方をします。

岐阜県は「ぼたん鍋」

猪の肉と味噌を使った郷土料理です。ぼたんとは薄切りにした猪肉を牡丹の花の様に皿に盛られる事から因んでいます。材料には春菊やしいたけなども加えられ、美しさだけでなく栄養もたっぷりです。

京都府は「御講汁」

仏事の「報恩講」の前日に、伝統野菜の大内カブラを数時間煮込んだのち、各家から持ち寄った合わせ味噌で調味するのが習わしだそうです。しかし京都は白味噌を使う家庭が多いようです。

 

まとめ

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中京地域の豆味噌は糖尿病に効果があり、さらにその豆味噌を使った味噌汁に糖尿病にいい材料が使われていることが分かりました。

1番の注目は岐阜県の「ぼたん鍋」で、肉の他、野菜やシイタケ、豆腐が使われています。シイタケは新陳代謝をさかんにし、老廃物を排出する作用があるので、糖尿病にいい食品です。野菜や肉、豆腐はGI値(炭水化物か消化されて糖に変化する速さを表す数値で低いものが理想)が低く、血糖値を急上昇させないためすでに糖尿病を患っている人でも食べられます。

滋賀県の「泥亀汁」は茄子と白ごまで栄養たっぷりで、愛知県の「ニシ汁」は貝と小魚が肝臓にいいです。この2つの味噌汁の材料は、糖尿病に直接関係はしませんが、バランスの取れた栄養素とGI値が高くない食物なのでお勧めできます。

余談

「糖尿病死亡率のベスト1位である神奈川県について何も書かれていないじゃないか!」とご指摘を受けそうなので、ここでちょっと言い訳を。

 

神奈川県には伝統的な「江戸甘味噌」を製造している会社が1社ありますが、米麹を使用していて、糖尿病との関連付けが出来ませんでした。そこで行政の対策に注目しました。

神奈川県は長年「糖尿病連携手帳」を普及させたり、予備群と指摘された人に食事指導を行うなど対策を重ねてきたそうです。

 

神奈川県庁保険福祉局さん。いい仕事してますね!

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