女性はもともと便秘しやすい体質と言われるのですが、そこに妊娠という事態になればますます便秘傾向が強くなり、妊婦さんの半数以上が便秘に悩むと言われています。
便秘は通常、便秘薬を飲めば難治性便秘を除いて大体改善されます。しかし、妊娠中となると事情が違ってきます。場合によっては便秘薬の副作用が強く出たり、刺激の強い便秘薬で、流産や早産のリスクが上がったりすることがあります。漢方薬ならいいだろうと思われるかもしれませんが、妊婦さんの場合は漢方薬でも注意が必要です。
まず、妊婦さんは何故、便秘になりやすいのかを考えてみましょう。
腸の動きを抑えるホルモンが大量に出る
妊娠5か月目ぐらいになると、女性ホルモンの中の一つ、プロゲステロンという黄体ホルモンが胎盤から分泌されます。臨月になると、妊娠前と比べて、約20倍以上にもなります。
この黄体ホルモンは子宮の収縮を抑制して流産を防ぎ、赤ちゃんの命を守ってくれるとても大切なものなのです。しかし、この大切な黄体ホルモンは子宮だけでなく、大腸の働きも抑え、体内の水分を吸収してしまいます。吸収された水分は胎内にいる赤ちゃんに送り込む栄養分の中に入っていったり、羊水の原料になったりします。
そのため、大腸の中の水分も減少して、便中の水分が失われるので便秘になりやすくなるのです。女性の体は妊娠すると、赤ちゃん優先の体になっていく非常に神秘的な現象ですね。
赤ちゃんが大きくなるにつれて腸が圧迫される
子宮が赤ちゃんの成長に伴って周りにある腸が圧迫を受けるようになります。その結果、便が出にくくなり、便が腸内に長く留まっている間に便の水分がだんだん失われて、便が硬くなっていきます。
運動不足である
なるべく運動しなくてはいけないという認識が妊婦さんにあるのですが、切迫流産しやすいなどと医師から言われると、その意識はことさらです。また、お腹が大きくなるとどうしても動きにくくなります。それでも流産の心配がなければ体を動かしていた方が苦しい便秘の解消になるし、楽にお産ができることはわかっているので、運動不足解消は重要です。
妊婦さんの便秘と漢方便秘薬
特に妊娠中は便秘薬に限らず、薬は飲まない方がいいのですが、あまりにも辛い時は病院でもらったり、薬局で相談したりして購入する妊婦さんもおられます。そんな時、大体勧められるのは漢方薬が多いですよね。しかし、特に便秘薬に関しては注意が必要です。
漢方便秘薬に入っている大黄は子宮を収縮させます
病院の薬剤師さんもご存知ですが、市販の漢方便秘薬には大黄という生薬が入っていることが多いです。この大黄は子宮収縮作用があるため、妊婦さんが常用すると流産や早産を起こし易くなるのであまりお薦めできません。漢方薬だから安全というわけではないです。特に臨月近い妊婦さんの便秘は要注意です。但し、便秘がひどくなりそうなら、主治医の判断で便秘薬を服用しましょう。
便秘薬に頼らずに食材で便秘を解消
さて、では便秘薬を飲まずに便秘を解消するにはどうすれば良いのか?まずは身近な食材で腸の状態改善を心掛けていただきたいと思います。
★リンゴ……リンゴの中にあるペクチンという食物繊維が便秘に効果があります。腸の蠕動運動を活発にし、便を軟らかくする作用があります。
又、ペクチンは腸の中の善玉菌を増やす効果があります。善玉菌が増えると、便秘が起こり難くなります。ペクチンはリンゴの皮に沢山含まれているので是非、皮ごと食べられることをお薦めします。
★ゴボウ……ゴボウにはイヌリン、オリゴ糖が沢山、含まれています。イヌリンは便から水分が出ていくのを防ぎ、便に水分を膨ませることで便の量を増やします。増えた便が腸への刺激となり、便を肛門へと送り込んでいきます。オリゴ糖は悪玉菌を減らし、ビフィズス菌などの善玉菌を増やしてくれます。ゴボウと水分を沢山摂り、便を軟らかくして便秘を改善していきましょう。
更にサプリメントの活用も
最近は夫婦共働きも多いので忙しい妊婦さんも増えてきました。多忙で上記に挙げたような食材が採れない時は、さっとサプリメントで済ますのも、便秘予防の健康生活を継続していく秘訣です。
サプリメントも選ぶ際には、注意が必要です。極力、天然由来のものがいいです。そして新鮮なものがいいです。妊娠した直後から、自分一人の体ではなくなります。体も体内の赤ちゃんを守ること優先するような作りになっていきます。その結果の便秘です。
僕のおすすめのサプリは何かって、それは言うまでもありません。なかきれい酵素は塩分のない味噌汁を濃縮して飲んでるようなものなので、安心してお飲みいただけます。よかったら試してみてください。