いやー、参りました。今年もあの季節がそろそろやってくるんですよ。
――え? 花粉症? そうですねー、花粉症の人にとっては辛い季節ですよね。でも僕が言いたいのは、それじゃないんです。年に一度やってくる「健康診断の日」についてです。
知っているようで知らない「生活習慣病」の世界。僕たち人間の体は複雑で、自分は健康に過ごしていると感じていても、日々の生活のなかで自覚がないまま、体のさまざまな部分に支障をきたしていることもあるんです。
――そう、人間であれば誰しもが避けて通れない「老化現象」ですね。この老化も含めてですが、日常生活の習慣、つまり生活習慣が原因となり、病気を発症するリスクが高まっている人もいます。
今回はそんな、知っているようで知らない「生活習慣病予防検診」についてご紹介します。男女を問わず特に40歳以上の方、必見ですよ。
生活習慣病予防検診って何?
生活習慣病予防検診とは、簡単に言えば「健康診断」です。病院や医療機関で検査が可能で、生活習慣病を患っていないか、予備軍になっていないかを検査します。
こうして見ると一般的な健康診断と同じような内容ですが、この“健康診断”が曲者なんですよね。例えば、いわゆる会社員で企業勤務の人でしたら、会社から「この日に健康診断があるぞー」と連絡があります。
というのも、企業には社員の健康維持の為、年1回の健康診断を社員に受診させる責任(義務)があるからです。――ですが、自営業や個人事業主になるとどうでしょうか?
あくまで経験談ですが、普段から意識を高く持っていないと、なかなか「健康診断のために病院へ行こう!」とはなりませんよね。また、企業に所属していない主婦(主夫)や、休職中で職がない人たちはどうすればいいのでしょうか……。
この点については、市町村単位で生活習慣病予防検診の助成金があるケースもありますので、ぜひ調べてみてください。年齢で言うと、40歳の節目を迎えたタイミングで一度、医療機関で生活習慣病予防検診を受けることが望ましいですね。
どのような検査をするの?
生活習慣病予防検診では、一般的な健康診断に加えて、生活習慣病を患っていないかどうかを検査します。ですから、問診では現在の健康状態のほか、飲酒の有無・喫煙習慣の有無といった「生活習慣」について答える項目があります。
少しだけ賢い大人になってしまうと、この問診で「本当は毎日お酒を飲むけれど、毎日と書くと怒られそうだから2~3日に一度にしよう」――なんて計算する人もいますよね。……ええ、その気持ちはよーくわかります。
ですが、ここはいっちょ正直な気持ちで答えましょう。ごまかしは一切不要で!
問診が終わると、身体計測や血圧測定といった一般的な項目の検査となります。血液検査と尿検査も必ず行います。
血液検査では、血中に含まれる脂質の量や肝機能検査、血糖検査などを行います。尿検査では、タンパクや尿糖などの数値を分析して、腎臓や糖尿といった疾病の可能性を検査します。そのほか、心電図等の検査も行い、トータルに身体の状態を検査していきます。
生活習慣病予防検診で引っかかってしまったら?
生活習慣病予防検診で主に調べるのは「生活習慣病の有無」です。具体的には、高血圧・脂質異常症・糖尿病のいずれかが潜んでいないかを調べる検査が中心。そのため、ガン検診を希望する人はオプション扱いになることが多いようですね。
例えば、生活習慣病予防検診を受けて「糖尿病予備軍」や「中性脂肪が高い」と診断を受けた場合は、1日でも早く生活習慣の改善に挑戦しましょう。
また、生活習慣病予防検診で糖尿病の有無を判断するために、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を検査します。
この数値は「1ヶ月間の血糖状態を調べる基準」になるため、2~3日間だけ糖質制限をすれば下がるような値ではないんです。逆に血糖値だけを調べるのであれば、検査前に糖質を制限すると血糖値は下げることが可能です。
このように、血糖値は低いのにHbA1cの値が高い人のなかには、「糖尿病予備軍」や「隠れ糖尿病」になっている人も少なくないんです。
繰り返しになりますが、、生活習慣病予防検診を受ける目安は、男女ともに40歳。――ええ、立派な中年です。ですが、いつまでも若々しく健康的に生活するためにもぜひ一度は受診して、現在の健康状態を確認することをおすすめします。
生活習慣病予防検診でも引っかかりたくない! ――そんな人は、思い立ったが吉日です。以下の記事も参考に、「デス・カルテット」を招かない生活に挑戦してみてくださいね。