まだ時期的には春ですが、季節が巡るのはあっという間。今年もじきに、夏がやってきます。
夏になるとついつい恋しくなるのが、キンキンに冷えたビール! ……いやね、もちろん僕だって、いつもお酒のことばかりを考えてるわけじゃないんですよ。ちゃんと働くときには働き、遊ぶときには全力で遊ぶ。こんなメリハリが大切だと思うんです。
とはいえ、やっぱりお酒の席は楽しいですよね! 話が盛り上ると、ついついお酒も進んでしまうもの。気がつけば飲みすぎてしまっており、翌日には二日酔いが待っているわけです。
昭和の時代には、「酒の席で二日酔いを経験してこそ大人!」なんてトンデモ理論を掲げる大人もいましたねえ。僕は平成を生きるダンディー親父(自称)ですから、無駄な二日酔いは経験しないほうがいいとは思いますが。
――そう、“酒は飲んでも飲まれるな”。
ですが、飲まれてしまったもんはしゃーないってやつですね。
今回は改めて、人間が二日酔いになる原因を学んでいきましょう。
全ては肝臓のせい……ではない!
アルコールと言えば、肝臓。何はなくてもとにかく、肝臓。――昭和の時代には、このような考えが当たり前のように囁かれていました。もちろん、もう30年ほど前の古い話になりますから、最先端の情報に書き換えましょう。
二日酔いの不快な症状が起きてしまう原因はさまざまです。……ええ、肝臓のせいだけではないんですよ。
まず、人間はアルコールを飲むと、胃と腸でアルコールが吸収されます。血液中に吸収されたアルコールが脳に届くことで、脳がぼんやりとした感じになります。――そう! この「ぼんやり」こそが、「お酒に酔った」状態を指します。
お酒を飲むと、なんとなく気持ちよくなりますよね。笑い上戸や泣き上戸など、なかには感情に変化が現れる人もいます。これらはすべて、血液中のアルコール濃度が高くなることによって、脳が軽くマヒ状態を起こしているものです。
脳が正常に働いていれば、「食べすぎ」「飲みすぎ」「二日酔い」といった状態にならないよう、理性が働きます。しかし、お酒を飲むことで理性が働かなくなり、食べすぎ・飲みすぎ・二日酔いを引き起こしてしまうわけです。
じゃあ二日酔いは脳のせい?
言わば「脳が酔う」ことで二日酔いになるかのように見えますが、一概に全部が「脳」のせいかと言うと、そういうわけでもありません。というのも、二日酔いを引き起こす要因は「酒類=アルコール」にありますが、原因はほかにもあります。
一口に「アルコール」と言ってもさまざまな成分が含まれており、特に注意しないといけないのが「アセトアルデヒド」です。
これは、肝臓に悪影響を及ぼし、肝臓がその処理に追いつかないと、体に蓄積されてしまう厄介者。二日酔い特有の頭痛や吐き気、体のダルさを引き起こす原因のひとつが、このアセトアルデヒドです。
また、「アデノシン」という成分は、二日酔いの頭痛や胃酸過多の原因になります。このように、二日酔いになってしまう原因はひとつだけではなく、複数の要因が関わることで症状として現れてくるのです。
熱中症のように、二日酔いも予防しよう
夏が近づくと、「熱中症には注意しよう!」と声高に叫ばれるようになりますよね。熱中症を防ぐためには、適度な水分補給に栄養補給、それから休息も大切です。
実は、二日酔いも熱中症予防と同じように、事前の対策が大きな効果を発揮します。
まず、飲み会などでお酒を飲む前には、500ml以上の水を補給しておきましょう。昼~夕方にかけて、500mlを飲むような感覚ですね。ここで選ぶ飲み物は、ノンカフェイン&ノンシュガーであれば何でもOKです。
というのも、アルコールには強い利尿作用があります。お酒を飲むとトイレが近くなる自覚がある人は少なくないと思いますが、これが利尿作用です。さらに、体の水分が自覚のないまま失われていきますから、事前の水分補給はとっても大切です。
それから、事前に食べ物を軽く食べておくことも、二日酔いの予防になります。間違っても、すきっ腹にビールの一気飲みをしてしまうと二日酔いまっしぐらですので、要注意です。
「暑気払い」という言葉が昔からあるように、熱い夏は冷たい飲み物で乗り切ってきたという歴史もあります。楽しくお酒と付き合うことで体への負担が少なくなるよう、工夫してみてくださいね。
ちなみに、二日酔いには「お酒の種類」も実は関係しています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。