「だからお前は大根なんだよっ!」
もしもあなたが舞台俳優で、監督からこんな言葉を投げかけられたとしたら、屈辱的に感じるのではないでしょうか。そもそも、なぜ売れない役者を「大根役者」と呼ぶのかご存知ですか?
これは、大根が何と食べ合わせても“あたらない”からなんです。食あたりにならない→あたらない→当たり役がない→売れない役者――ということですね。ほかにも、大根の白さと「素人」という言葉をかけている説など、大根役者の由来については諸説あります。
そんな「大根」ですが、昨年末、ある人気バラエティー番組で特集が組まれていました。
お笑い芸人の博多華丸さん、ケンドーコバヤシさん、アンジャッシュ渡部さん、ずん飯尾さん、ナイツ塙さんに加え、料理好きとしても有名なV6の長野博さんが出演し、「大根」をさまざまな視点から取り上げていました。
今回はそんな、男性芸能人たちも愛して止まない「大根」について、改めて紐解いていきましょう。
大根の酵素パワーはすごい!
ダイエットの味方でも大根の特徴としては、まずその食感が挙げられます。切り方にもよりけりですが、大根と言えば硬いイメージが強いですよね。……当たり前とか言わないで(笑)。大根に似た野菜のカブと比べると、その硬さがよくわかるかと思います。
そのため、生で食べるときはシャクシャクとよく噛んで食べますよね。こうしてしっかりと噛んで食べると、満腹中枢が十分に刺激されます。しっかりと「食べた!」と脳が感じることで、程よい満腹感を得ることができます。
さらに注目したいのが、生の大根に含まれる酵素たち。
生の大根には、特定の物質をさらに細かく別の物質に変化させるさまざまな消化酵素が含まれています。例えば、デンプンに対応するアミラーゼ、タンパク質に対応するプロテアーゼ、脂肪に対応するリパーゼなどですね。
どのような野菜にも酵素は含まれていますが、大根には、この3つの酵素がふんだんに含まれています。ですから、ご飯(糖類)も分解してくれるし、肉や魚といったタンパク質と脂質と組み合わせても酵素パワーが働くという、すごい野菜なのです。
大根を食べて色白美肌に!
昔から「白いものを食べると肌の色が白くなる」なんてそれっぽく語られることもありますが、実はこれ、あながち間違っていないんです。というのも、大根を筆頭にした「見た目が白い野菜」には、たくさんのビタミンCが含まれています。
ビタミンCと言えば、美肌には欠かせない栄養素。日焼けによる軽い火傷状態を早く沈静化するためにもどんどん補給しないといけないのが、ビタミンCです。
また、ビタミンCは水溶性であるため、どうしても調理中に流れ出してしまいやすいという特徴があります。
しかしその点、大根の料理方法をイメージしてみてください。皮を剥く前に水洗いして、それをそのまま調理することが多いですよね。そのため、皮の下に含まれる栄養素はあまり流れ出ず、豊富なビタミンCを料理と一緒にそのまま摂取できるわけです。
大根の食べている部分は、実は根っこだった!?
僕たちが普段から食べている大根ですが、主に口に入れているのは白くて太い部分ですよね。子供のころは、あの白い部分を可食部=食べられる部分だと思いがちですが、ご存知のとおり、大根は捨てる部分がない野菜でもあります。
まず、僕たちが普段よく口にする白い部分は、大根の「根」に当たる部分です。大根は土に埋もれて大きくなりますが、収穫される前の白い大きな根っこの部分は、すべて土に埋まっている状態です。――まさに、“大根”ですね。
この白い部分ですが、100gあたり水分が94.6gを占めており、そのほとんどが水分です。
栄養素が豊富なのは、根っこよりも葉っぱ。いわゆる「大根葉」と呼ばれる部分です。大根葉は緑黄色野菜に分類されます。根っこの部分は単色野菜なのに、不思議な感じがしますよね。
大根葉にはビタミンC、鉄分、カルシウムが、ほかの野菜と比較しても非常に豊富に含まれています。その含有量は、ビタミンCがほうれん草の約5.5倍、鉄分が約1.5倍、カルシウムが約5.3倍にも上ります。
このように実はとても魅力的な大根を、みなさんもぜひダイエットや美容のために活用してみてはいかがでしょうか。もともとは冬が旬の野菜でしたが、今は品種改良が行われ、1年を通しておいしく食べることができます。
大根と言えば、鹿児島の桜島大根も有名ですよね。以前、鹿児島県にある奄美大島・加計呂麻島に足を運んだことがありまして……よろしければ、当時の旅行記も読んでみてください!