健康のため、「酵素」を意識した食生活を送っている方が増えています。酵素ドリンクやサプリメントなど、酵素の良さをアピールする商品も数多く販売されています。
「流行っているけど……」「気になるけど……」。今更聞けない酵素のあれこれや、酵素を食事から効率的に摂る方法をご紹介していきます。
最近よく聞く酵素とは
酵素はタンパク質の一種で、体内で消化、吸収、代謝などを行う際に重要な物質です。酵素は生体内で生成され、約3000種類以上が発見されています。
なかでも消化酵素は胃もたれ軽減、代謝酵素は基礎代謝を活発化し、ダイエットに効果的など様々な働きがあります。
酵素は野菜や果物、発酵食品などに多く含まれており、毎日の食事で手軽に摂取することができるものです。
酵素には欠点も・・・
こんなにも体に大切な酵素ですが、いくつか弱点があります。
・加齢とともに減少
年を重ねるごとに、体内で合成される酵素は少なくなってきます。
加齢とともに減少する代謝酵素も、なかなか体重が落ちない原因のひとつとされています。
・短期摂取は効果なし
酵素は継続的に摂取することで効果が現れます。短期間の大量摂取ではなく、毎日継続して摂取するよう心がけましょう。
・熱に弱く、壊れやすい
酵素は48℃以上で死滅すると言われています。加熱に弱いため、生野菜やフルーツなどで補いましょう。
体内で合成される酵素の量は遺伝子によって決まっており、脂っこい食事をしたときや、食べ過ぎたときには酵素が大量に消費され、不足してしまいます。そうならないよう、体内での合成だけに頼らず、食事から摂取することが大切です。
次に実際に食事から効率よく酵素を摂取する方法をご紹介致します。
酵素を壊さず丸絞り!スロージューサー
「スロージューサー」をご存じですか?
スロージューサーとは、野菜や果物を低速で圧縮しながら絞ることができるものです。
皮や種ごと絞ることができるので、食材の栄養を丸ごと摂取できると今注目を集めています。
しかし、スロージューサーのメリットはこれだけではありません。
通常のミキサーは刃が高速で回転する仕組みのため、熱に弱く、壊れやすい性質の酵素は破壊されてしまいます。
スロージューサーは低速で絞ることにより、酵素を壊さず、新鮮な野菜や果物の甘みを生かしたジュースを絞ることができます。
手軽に酵素を摂取したい人には最もおすすめです。
スロージューサーは水分が少ないものはジュースに不向きなので、水分が多い野菜や果物を取り入れましょう。
りんご、オレンジやグレープフルーツ、きゅうりや白菜などが特におすすめです。
酵素補給にぴったり!パワーサラダ
数年前からブームになっている「パワーサラダ」。アメリカでトレンドとなり、日本に上陸し、今では専門店もオープンしている人気ぶり。
パワーサラダは「野菜」、「果物」、「タンパク質」、「トッピング」を組み合わせたサラダで、ひとつで食物繊維、ビタミン、ミネラルを補えるまさにパワーの源です。
生野菜と果物を取り入れ、酵素を補うにもぴったりの一品。簡単に作れるレシピをご紹介します。
たっぷり野菜と生ハムチーズのパワーサラダ
材料(1人前)
お好きな野菜 120g
(写真はキャベツ、紫キャベツ、レタス、人参、コーン、ミニトマト)
オレンジ 1/4個
生ハム 3枚
チーズ 15g
カシューナッツ 10g
作り方
① 野菜とオレンジは食べやすい大きさに切る。
② チーズはサイコロ状に、カシューナッツは半分に割る。
③ ボウルに野菜を盛り、オレンジ、チーズ、カシューナッツをトッピングし、生ハムをのせ完成。
エネルギー:134kcal 食塩相当量:1.6g
他にも、タンパク源としてグリルチキンやスモークサーモン、生野菜にプラスして焼いたかぼちゃやズッキーニなど、アレンジは無限で、飽きずに続けられます。
冷蔵庫の常備菜に!胡麻油香る“だし”
香味野菜をたっぷり使った山形の郷土料理「だし」。今回は胡麻油を使って、中華風にアレンジしたレシピをご紹介します。
胡麻油香るだし
材料(作りやすい分量)
オクラ 2本
大葉 4枚
長葱 5cm
トマト 1/2個
きゅうり 1/2本
胡麻油 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
オイスターソース 小さじ1
作り方
① オクラはサッと茹でて輪切りに、長葱、大葉はみじん切りにする。
② トマト、きゅうりは小さなサイコロ状にする。
③ 調味料を混ぜた液に1時間ほど漬ける。
香味野菜の香りでさっぱりと、かつ、胡麻油とオイスターソースで食欲をそそる、夏にぴったりのメニューです。みょうがや茄子など夏野菜を入れてもいいですね。
たくさん作って冷蔵庫の常備菜にもどうぞ!
おすすめの食べ方は冷や奴に乗せて韓国海苔をトッピング。豆腐にも酵素が含まれているため、生野菜を使用しただしと組み合わせて食べると、より効果があります。
もちろん、納豆と混ぜてご飯にかけて食べるのもおすすめです。
忙しいあなたに……!
市販の野菜ジュースは加熱されているものが多く、酵素を補うには不十分です。「自炊する時間がない!」そんな方は、カット野菜やカットフルーツを活用してみて下さい。
また、最近は酵素サプリメントも多く発売されています。基本は食事からの摂取を推奨しますが、厳しい場合は無理せず、食事と平行してサプリメントも上手く活用しましょう。
まとめ
最近注目されている酵素は、様々な食品に含まれています。生野菜や果物、発酵食品を全く食べていないという人も、朝食にりんごやヨーグルトを取り入れる、ランチにサラダをつけてみるなど、できることから少しずつ意識して摂取してみてはいかがでしょうか。
今後も、酵素の摂り方についてご紹介していきたいと思います。お楽しみに!
writer:矢崎海里
大学を卒業後、大手企業の栄養管理業務を行いながら勉強をし、管理栄養士国家試験に既卒で合格。
現在は管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。
レシピ考案が好きで、一度作ったものは作らず、常に新しいメニューを自炊し楽しんでいる。
趣味は旅行で、20代のうちに47都道府県行くことが目標。