塩麹、流行りましたねぇ。
不思議なものであの白いドロドロした甘酒状のものを混ぜると旨みがでるんですよね。肉や魚を漬け込んだり、野菜料理にかけるだけで美味しくなります。
だから今でも魔法の調味料として食卓に欠かせないファンは多いですが、どうして塩麹を混ぜると旨みがでるのでしょうか?
それから塩麹ファンの中には味だけではなく、お通じがよくなって肌がきれいになったと実感される方もいらっしゃいます。
料理を美味しくして肌まできれいにしてくれる塩麹って一体何者なんでしょうか?欠点の無い出来杉君(ドラえもんの)のような塩麹について、その秘密を暴いてみたいと思います。
塩麹、旨みの秘密を暴く
塩麹の旨みの秘密はズバリ、酵素の力です。塩麹に含まれる消化酵素が食材のでんぷんやタンパク質、脂肪を分解し、食材から様々な美味しさを引き出してくれます。
個別に説明するとまず、でんぷんは塩麹の力で糖化され甘みを引き出します。そしてタンパク質や脂肪からは旨みを造り出し、更に分解する際、素材の繊維をやわらかくしてくれるので、旨みとやわらかさが加わってまろやかな美味しさになります。
これら3つの酵素はでんぷんが「アミラーゼ」、タンパク質が「プロテアーゼ」、脂肪は「リパーゼ」と名付けられています。あれっ?どこかで聞き覚えのある名前なのはなぜでしょう...。
塩麹の特性を最大限に活かすには、食材にでんぷん、タンパク質、脂肪のどれかが多く含まれていることです。また分解には時間が必要なので、調理前に食材と和えてしばらく置くといいでしょう。こうして美味しい塩麹料理が出来上がります。
すごさはこれだけではありません。塩麹自体にビタミンB1、B2、B6、Hが含まれていて、疲労回復や脳の代謝をよくする効果があります。また、同じく塩麹に含まれている乳酸菌には整腸作用があり、便秘解消と美肌効果、それからアンチエイジングにつながるんです。特に女性には魔法のような食べ物です。
これを書いていて、はたと塩麹の効能って「なかきれい酵素」と同じだと気づきました。どうりで3つの酵素名に聞き覚えがあった訳です。同じ麹菌から作られているから当然ですかね。もし塩麹料理が食べられないときは、酵素サプリの「なかきれい酵素」をお試しください。
いろいろな麹菌の調味料
塩麹は麹菌に塩と水を加えて常温で10日ほど発酵させたものですが、麹菌を他の素材で発酵させた調味料がまだまだあります。そこで意外と知られていない麹菌を使った伝統的な調味料から、新しい調味料までご紹介したいと思います。
- 本みりん: もち米、醸造アルコール、米麹を40日から60日かけて糖化熟成させたものでアルコール分が14%程あります。
- みりん風調味料: もち米、焼酎、米麹で作られる調味料です。アルコール分が1%未満です。
- 酢: 米麹と水をアルコール発酵させたもので、3ヶ月から6ヶ月かけて熟成させます。
- 日本酒: 白米に麹菌、酵母、水、乳酸、もろみを入れ発酵させたものです。
- 醤油: 大豆、小麦、麹菌と塩水を混ぜ6ヶ月から1年発酵させたものです。
- 味噌:大豆と麹菌に塩を入れて4ヶ月から3年程熟成させたものです。
- 寒麹:米麹、もち米、塩をまぜたものです。秋田県の伝統食で漬物や肉、野菜料理に使いますが、半年から1年と長期間寝かせ旨みを引き出します。
- 三升漬け:青唐辛子、麹、醤油を同分量で漬け込んだものです。後で青唐辛子を取り出して、醤油麹としても使います。北海道や東北地方の郷土料理兼調味料です。
- 醤油麹:醤油と麹菌を混ぜて1週間熟成させたものです。
- だし麹:よく摺ったゴマに醤油、味噌、酒、麹菌を混ぜたものです。うどんのタレなど隠し味に使います。
- 麹納豆:納豆、醤油、米麹、酒、にんじん、ごまを混ぜたものです。
- 甘麹:米麹ともち米を混ぜたものです。自然の甘さがあります。
同じ麹菌出身の調味料がこんなに沢山あったんですね。
最近話題の「醤油麹」は麹発酵調味料の醤油に更に麹を加えると旨みが増すそうなので是非、試してみたいです。
個人的に気になるのは「麹納豆」です。納豆菌は強い菌ですが、そこに麹を加えて商品化したそうです。今後も工夫次第で味のバリエーションが増えそうな予感です。
《出典》
まとめ
和食の味付けの基本と加える順番は「さしすせそ」と言われていますが、5つの調味料の内3つまでが麹菌の調味料なのには改めて驚かされます。その5つの調味料とは、「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」は醤油(せうゆ)、「そ」は味噌です。
日本伝統の麹を使った発酵食品は、本来の良さを確かめつつもまた新たな組み合わせを模索しているようです。
日本の長寿に貢献している陰の貢献者は麹から造られた発酵食品の力だと僕は信じています。そして麹菌の良さを知っている一人として、麹菌を使った新しい調味料を積極的に試して、若さと健康と、そしてカッコ良さ?を維持して行きたいと思います。