空港におりたった僕をまっていたのは、大洪水のカルカッタでした。
なんでも、一雨ふれば、膝までつかるのは当たり前のことらしく、
現地の人は、いつものことといった感じでした。
ご存知のとおり、インドは、象がまちなかに当たり前にいるんですけど、
その像は、排せつ物をそこら中に置き去りにしてまして(当たり前ですが。)、
それらが、洪水でういてながれているといういきなりかなり強烈な場面に
遭遇し、これからのインドの旅がすこし不安になったのでした。
空港からは、バンコクのカオサンロードのように、カルカッタでは、バックパッカーに
有名なサダルストリートというところがあり、そこに宿をかまえようと向かいました。
カルカッタでは、連日、ひたすら町をうろついてました。
初日以外は、天候にも恵まれ、インドらしさを意識して、
路上のチャイやさんでチャイを飲み、インドの葉巻をすい、インドカレーを食べ、
インド映画を見る。
まちはすごく混沌としていて、歩いているだけで楽しく、あまり観光地に興味のない
僕はそれで満足でした。本当に観光地に興味なく、写真にも興味がなかったため、
あとから思い返すと、濃かったのか薄かったのかなんともいいがたく、思い出すの
もなかなか大変です。
そして、毎晩宿に帰ると、同じ宿に泊まっている人間同士の会話があるんですけど、
ある意味これが楽しい、これだけのために旅行ができるかもというくらい、
世界中をまわっている人がたくさんいて、その人たちの話は本当に面白いんです。
そこで、次いくところの情報を収集したり、次行くところを決めたりします。
カルカッタに来てから、噂には聞いていたんですけど、洗礼というか、
騙されたり、襲われたりといった話がにわかに多く、宿にかえるだびに、
公園で睡眠薬飲まされたとか、もらったジュースに睡眠薬がはいっていて、
気づいたら、身ぐるみはがされていたとか、まあいろいろな手口が
あって、ここではいいつくせないほどで、このあと一か月近く、
インドにはいたんですけど、日々それらとの戦いで本当に気を抜く
暇はなかったです。
そんなおり、宿で、マザーテレサのボランティアの話があり、
前から興味のあった僕は、お手伝いをさせていただくことになりました。
つづく。