カルカッタからの列車がようやく到着し、バラナシの駅におりたった
僕には、リクシャーの運転手たちが、鬼のように群がってきて、
ほぼ身動きとれない状態に、みんな、自分のひも付きのホテルに
つれていこうと必死です。手数料が入るからなのでしょうが、
強引にのせようと力づくでひっぱる人間が2、3人はいて、
本当にどうにもなりません。
ここで、僕は決断をせまられます、本当は駅前かどこかの
案内所で、情報収集をしたいのですが、
このなかから、一人を選ばないと、その場がおさまらない感じなのです。
ところが、申し訳ないんですけど、全員うさんくさく見えてしまい、
えれべないし、はあどうしよと、結局もう疲れて、半分やけくそ、
そして勢いで、とあるお兄ちゃんに決めました。
バラナシと言えば、ヒンズー教の聖地で、一番の目玉がガンジス川です。
そのガンジス川ぞいに、ホテル(安宿)があると聞いていたので、
そのあたりに行ってほしいと運ちゃんに言っていたところ、
どう見ても街中のホテル(安宿)に到着。
お前にはここが最高にいいと必死で僕に説得を試みる運ちゃん。
あーあ、お前を選ぶんじゃなかったと心の底から思った僕ですが、
もうどこにいるかもわからず、ここを乗り越えるしかなく、
聞けば川まで歩いて20分かかるとか、そのため、
余計にここを乗り越えて川沿いのホテル(安宿)にいくしかなく、
運ちゃんに川に連れて行けと言っていると、
宿からご主人がでてきて、2人がかりで、僕をそこに泊めようと
必死、ほっておいたら、勝手に荷物をもっていくしまつである。
本当に油断もすきもない、最後は、僕がぶちぎれて、
日本語でさんざんなセリフをはき、川へと歩きはじめたのでした。
すると、さっきの運ちゃんが平気な顔をしてやってきて、
「ミスター、川にいいホテルがあるよ、のりなよ」
ときました。ほんまえーかげんにせーよ。
とは思ったものの、歩くのもつらく、結局乗ってしまう僕なのでした。
つづく。