近年、大物歌舞伎俳優が相次いで亡くなりました。市川団十郎さんは享年66歳で死因は白血病。坂東三津五郎さんは享年59歳ですい臓癌。若くして亡くなった中村勘三郎さんは享年57歳で、直接の死因は急性呼吸窮迫症候群ですが、亡くなる半年前には食道癌と診断されていました。
日本では2人に1人が癌になる時代ですが、早期発見で完治も夢ではなくなりました。治療方法は多くの方が西洋医学に頼りますが、中には東洋医学、または食事療法を試みる方もいます。いずれにしても発見が遅いと治療が困難になるので、常日頃から検診などの体調管理を心がけたいものです。
しかし、何より大切なのは癌になりづらい生活習慣を身につけることです。野菜、果物を積極的に摂って消化を良くし、疲れ知らずな体を作ることが必要です。
疲労原因の一つは食事です
日本人男性の平均寿命が80歳なのを考えるとまだまだ働き盛りの三方。大物歌舞伎俳優の早すぎる死を残念に思います。
僕は今年で40歳なので、平均寿命から見るとちょうど人生の半ばです。仕事やプライベートで忙しくしていていますが、体調は抜群にいいです。今思うと一人暮らしだった若い時代の方が、今より疲れていました。
その原因を考えると、思いつくのが食事の摂り方です。
大好きな味噌汁が飲みたいと思いながらも、帰宅が遅かったため手軽なファーストフードやコンビニ食で過ごしていた時期でした。果物や野菜は殆ど摂りませんでしたね。スポーツが好きで、定期的に体を動かしていたので運動不足ではなかったと思います。
このような生活だったので僕の場合、偏った食事が疲れの原因だったと思います。疲れが取れないと感じるあなたの原因はなんだと思いますか?
一人暮らしを始めた大学生の頃、年に1-2回は風邪をひいていました。僕ってこんなに病弱だったっけ?と自分で驚いたほどです。社会人になると今度は接待や不規則な生活などで20Kgも太ってしまい、いつも疲れていました。あの頃は栄養のバランスなど殆ど考えていませんでしたね。例え体調が悪くても重くなった身体を動かして働きましたよ。そして毎日のように、昨日の疲れを翌日まで持ち込み、起きるのが本当に辛かったのを覚えています。
疲労の原因は、デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとることによって起こるものや、寝不足、運動不足、精神的ストレスと食事があります。
姿勢が原因の場合、最低1時間に1度は、腕、肩、首を回すようにします。寝不足については以前、「レム睡眠とノンレム睡眠の違いを正しく理解して疲労を溜めない身体を作ろう」に書きましたが、睡眠の質を高めれば、多少時間が短くてもすっきり起きられるようになると思います。運動不足は散歩など軽くていいので身体を動かすようにすると、血の巡りがよくなり、また筋肉に溜まった乳酸が排出され、疲れが取れやすくなります。
さて、食事が疲労の原因の1つとして挙げましたが、どんな食事方法が疲労回復につながるのでしょうか。
食事で疲労回復
疲労には3つの種類があります。それは肉体疲労と精神疲労、そして神経疲労です。まず、それぞれの疲労を回復する栄養素が含まれた食材をご紹介しましょう。但し、この疲労回復に効く食材だけ摂るのではなく、この食材を中心として、他の食べ物も一緒に摂ることをお勧めします。
肉体疲労にクエン酸と酢酸
疲れて食欲が無いときに、梅干などの酸っぱいクエン酸の含まれた食べ物は食欲を増進させてくれますが、その他にもクエン酸や酢酸は細胞内でエネルギーを効率よく造り出してくれます。レモン、グレープフルーツなどの柑橘類や、キウイ、イチゴなどの果物と酢です
精神的疲労に硫化アリル
ねぎ類には辛味成分の「硫化アリル」が含まれます。この成分は神経を鎮静させる作用があり、精神的な疲れをやわらげてくれます。また新陳代謝を良くし、ビタミンB1の吸収を助けます。(ビタミンB1は神経疲労回復に効果があります。)「硫化アリル」は、玉ねぎ、にんにく、ニラ、長ネギなどに含まれます。できるだけ生で食べるのがお勧めですが、臭いも気になるところ。玉ねぎは薄切りにして水につけると臭みと辛さが薄まりますが、「硫化アリル」の成分も一緒に減るので、水につけるのは短時間にしましょう。
神経疲労にビタミンB1
ビタミンB1は脳のエネルギー源であるブドウ糖の代謝に必要な栄養分で、神経組織の働きを良くします。玄米、小麦胚芽、豚肉、大豆に多く含まれますが、熱に弱いので長時間調理しないことがポイントです。
肉体疲労と精神的疲労にレシチンとビタミンE
レシチンは身体の疲れをとり、脳の動きをよくする栄養素で大豆に含まれます。大豆にはレシチンの他にビタミンEが含まれ、酸化しにくくしています。一方レシチンはビタミンEの吸収を助けています。枝豆、納豆、豆腐、きな粉の大豆食品に含まれます。
肉体疲労に酵素
酵素は体に入った食物の消化を助けるので、肉体疲労に効果的です。生野菜、生果物、発酵食品に含まれます。生野菜と生の果物で酵素を摂る場合、食前に食べると効果的です。
まとめ
疲労回復には、その原因に合った対処をしてください。もし疲労の原因が食事と思われる場合、回復に効く栄養素を含んだ食べ物を積極的に摂るようにしましょう。それでも疲れが取れない方は、身体の中で消化不良を起こしていることが考えられます。便秘の方は間違いないでしょう。もしお通じがあっても、宿便としてまだ腸の中に多く食べ物のカスが残っていて、それが疲労の原因となっている場合もあります。
体内の消化酵素が普通にある場合、1回の食事を消化するのに掛かる時間は約7時間です。もし1日3回の食事とお菓子などの間食をしたら、24時間では消化が終わりません。そうすると、内臓は休み無く働かなければいけならなくなり、疲労へとつながります。詳しくは「酵素が足りないと、からだのなかは24時間営業!」で紹介していますのでどうぞ。
現在の食べ物には消化酵素が不足しています。そのため消化に7時間以上も掛かるのだと思います。特に食事回数が3回以上の場合、体内の消化力低下によって内臓は24時間営業をしています。もし僕が24時間働き続けたらぶっ倒れるのは間違いありませんが、内臓だって働き続ければダウンします。だから朝、疲れが取れないと感じたら、朝食は消化のよい食べ物やスープなどに変えることをお勧めします。
内臓の負担を少し軽くしてあげれば、それだけ疲れ知らず。今の僕みたいになりますよ(笑)
疲労の原因が食事と思われる方は、内臓を24時間営業させないように、労わってあげてはいかがでしょうか。