「よーおいで。十津川へ。」

 

奈良県の十津川方面へ旅行に行ったときに、奈良県内でも珍しい方言を話す、気さくな老齢紳士に出会いました。奈良県は大阪や京都から近いこともあり、意外と独特な方言が少ない地域だと思っていたので、ちょっと驚いたことを覚えています。

 

そんな奈良県と言えば、日本を代表する漬け物「奈良漬」が有名ですね。
奈良で作られた漬け物だから奈良漬……ではなく、名前にもちゃんと由来があります。

 

江戸時代のはじめ、当時の漢方医・糸屋宗仙が白ウリの粕漬けを作りました。この漬け物を「奈良漬」と名付け、地元奈良県の寺の門前で販売。のちのち「奈良漬」との名前が全国に広まった説が湯名ですね。

 

そんな歴史のある奈良漬ですが、日本の漬け物界(僕が勝手に作った世界です)でも、好き嫌いが別れる漬け物TOP3に入っているのではないかと思います。

 

好きな人は、とことんハマる味。
ですが、苦手な人は、てんでダメな味。

 

僕が食べた感想としては……まさに「大人の味」ですね。酒の風味がきいた甘じょっぱい味は、好き嫌いが別れるのも仕方がないと思います。子供の頃は苦手でも、大人になって奈良漬の魅力にハマったなんて人もいるのでは?

 

さて、本日の日本漬け物紀行は、奈良県を代表する「奈良漬」を紹介しようと思います。

 

白瓜+酒かすのゴールデンコンビ

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現在、さまざまな野菜で作られている奈良漬。
シンプルかつ王道のゴールデンコンビは、白瓜を酒かすで漬けた奈良漬ですね。

 

このコンビの歴史はとても古く、もともと瓜の粕漬けは、古代から人々の間で食べられていたという説もあります。現存する資料では、奈良時代に「かすづけうり」や「かすなす」として紹介されている食べ物こそが、奈良漬だと言われています。

 

当時から奈良漬は高級品とされており、江戸時代に入っても上質なものは献上品として差し出されていたそうです。

 

そんな奈良漬ですが、現代でも贈答用や家庭用など、さまざまな種類が作られています。もちろん奈良県民の家庭でも「おうちの味」があり、各家庭でじっくりと漬けられていることでしょう。

 

手間暇かかるからこそ出る、熟成した大人の味

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飲食店やみやげ物屋で簡単に手に入る奈良漬ですが、家庭で漬けようとすると、とても手間暇のかかる漬け物です。

 

まずは奈良漬と言えば、白瓜ですよね。

 

あの独特な食感を出すためには、白瓜を塩漬けにします。塩漬けで白瓜の水分を抜いたら、次は下漬け。……ええ、まだ本漬けではないんです。

 

続いて、酒粕と砂糖を混ぜて床を作ります。奈良漬の達人曰く、砂糖はザラメが良いそうです。大きなビニール袋を漬け物桶にセット。袋内に床と瓜を交互に敷き詰め、一番上には空気が入らないようにたっぷりと床をかぶせます。

 

空気を抜いて、ビニール袋の口を輪ゴムで止め、半年以上かけて本漬けします。こうして長い時間、冷暗所で寝かして上手に漬けることで、独特の風味がおいしい奈良漬となるのです。

 

奈良漬をアレンジして食べやすく

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酒粕に半年以上も漬け込んで、黄金に輝く飴色に仕上がったのが奈良漬です。

 

その味は酒の風味をふんだんに含んだ、まさに大人のための味! しかし奈良漬は古くから献上品として愛されている一方で、好き嫌いが分かれる味でもあります。

 

そこで最近では、各家庭で開発した「奈良漬アレンジ料理」が、レシピサイトなどでも数多く掲載されています。奈良漬はどうしてもアルコールの風味が強いので、加熱して酒臭さを飛ばすメニューは人気があるようですね。

 

僕が個人的におすすめしたいのは、ディップにして食べる方法です。

 

準備するものは、クリームチーズとクラッカー。
そして、メインとなる奈良漬ですね。

 

奈良漬を細かく刻み、クリームチーズとよく混ぜ合わせます。完成したディップソースをクラッカーの上にのせたら、完成。チーズのクリーミーさと酸味に奈良漬のしょっぱさが見事にマッチングする、大人のためのおつまみに変身です。

 

奈良漬を刻んで混ぜるだけで、日本酒にもワインにも合うおつまみになります。
奈良漬が苦手な人も、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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