寒い冬も過ぎ去り、すっかり季節は春。
どうせならこの勢いで、暖かい地域へ足を運びたくなりますね。
日本の暖かい地域と言えば、やっぱり沖縄!
1年を通して温暖な気候でマリンレジャーも楽しめる、人気の観光地ですね。
ですが!
2016年に入り、沖縄県でも数十年ぶりに雪が降ったそうです!
あれ……?
沖縄県って、暖かい地域じゃなかったっけ……?
これも異常気象のひとつでしょうか……。
とは言っても、沖縄県が温暖な地域であることに変わりはありません。
沖縄と言えば、独自の食文化も有名ですよね。
特に、豚肉を使った料理が多いイメージがあります。
ラフテーやソーキそばなどのおいしい料理がたくさんなので、思いっきりマリンスポーツで体を動かしたあとは、お腹もいっぱいに満たしたいものです。
さて、今回紹介するのは、漬け物の中でも異端中の異端!
「え?これも漬け物なの!?」と言われる逸品でございます。
それが、沖縄県の「豆腐よう」。
いったい「豆腐よう」とは何物なのか。
はたして、どんな味なのか。
What’s 「豆腐よう」?
みなさんは、「豆腐よう」という言葉を聞いたことがありますか?
「豆腐用」――豆腐専用の何かみたいですね。
「とう不要」――砂糖不要な何かみたいですね。健康的なシュガーレスでしょうか。
……と、言葉遊びはこのくらいにしておきましょうか(笑)
「豆腐よう」とは、紅麹や泡盛などで作った漬け汁に豆腐を漬け込んだ、れっきとした“漬け物”。より正確には、“発酵食品”として扱われているようです。
古くは琉球王朝の時代から伝わっている、歴史ある珍味。一般人からは高嶺の花として扱われ、宮廷の上流貴族や王府秘伝の“特別な味”として重宝されていきた歴史があります。
もちろん、現在は一般人でも遠慮なく味わえるお値段になっていますから、沖縄県を訪れた際にはぜひ一度、ご賞味ください。
泡盛と紅麹が織り成す独特の味
豆腐ようの作り方としては、まず漬け込み液に紅麹と泡盛が使われます。
沖縄のお酒として有名な「泡盛」の特徴としては、原料にタイ米を使い、発酵には黒麹菌を使っている点が挙げられます。仕込みは1回で、「全麹仕込み」と呼ばれる方法が採用されており、単式蒸留器で蒸留したものが「泡盛」になります。
そんな沖縄を代表する銘酒・泡盛と、麹の一種である紅麹、そしてその他調味料を混ぜ合わせることで、漬け込み液を作ります。
また、豆腐よう用に使われる豆腐は、専用に作られたもの。……言葉遊びが続いているように思われたかもしれませんが、これは一般的な木綿豆腐や絹豆腐ではありません。
「島豆腐」と呼ばれる木綿豆腐の仲間で、日本全国で主流の木綿豆腐よりも水分が少なく、歯ごたえも固めになっています。沖縄県の郷土料理・チャンプルー系で使われているのも、この島豆腐ですね。
さて、これら沖縄名産の品を使って漬け込んだのが、豆腐よう。
いったいどのような味なのか……気になりますよね?
豆腐ようは大人の味!
「泡盛や紅麹で漬け込んだ豆腐」と言われても、なかなか味のイメージが掴みづらいかと思います。
漬け込みが終わった豆腐ようは、豆腐であるにも関わらず、その舌触りはチーズのよう! 風味はウニのように濃厚で、鼻に抜けるなんとも言えないお酒の風味が感じられます。
さらに、チーズのようなしっとりとした食感と、上品で濃厚な味がたまりません。琉球王朝時代、珍味として扱われていたのも納得の味ですね。
見た目も美しい紅色で、なんとも豪華なイメージです。ちなみにこの色は、紅麹を使っているために、自然と染み込んで色づくのだそうです。
見た目も美しく、豆腐とは思えないような濃厚さに仕上がる豆腐よう。熟成期間も長いので、何も知らずに一口食べて「これって……豆腐?」と気がつく人は少ないのではないでしょうか。
注意点としては、泡盛を使って長期間漬け込んでいるため、お酒の風味がとても強い逸品となっています。なので、豆腐ようを作っているメーカー側も、お酒が苦手な人や子供にはおすすめしていません。
だからこそ、大人のみが味わえる高級珍味。
濃厚な味は、お酒のお供にピッタリです!
夏の暑い時期でしたら、キンキンに冷やしたビールのお供に――沖縄でしたら、銘酒の泡盛と一緒に楽しみたいですね。
僕個人としては、濃厚な味がワインのお供にもぴったりだと思いました。
大人な皆さんはぜひ一度、豆腐ようを味わってみてくださいね。