「食べる」だけで体はぽかぽかになる
食べることは、生きること。
冷え性の人にとって、何かを「食べる」行為は、それだけで体も心もぽかぽかしてくるような気がします。季節に関係なく起こるのが冷え性ですから、おいしいものを食べてぽかぽかしたいですよね。
食べ物のなかには、食べるだけで体を温めてくれるものがあります。
ですが、注意は必要です。なぜなら、逆に体を冷やしてしまう食べ物もあるからです。
では、どのような食べ物が体を温め、冷やしてしまうのでしょうか?
体を温める食べ物
体を温める食材の代表が、根菜です。土に埋まっている根っこの部分を食べる根菜は、体をぽかぽかにしてくれると言われています。
例えば、にんじんも根菜の1種。にんじんには、体の中を流れる血液を作るビタミンAと、血流を促進するビタミンEが含まれています。血行不良が冷え性の原因となっている場合も多いので、にんじんは冷え性対策にぴったりの食材ですね。
また、水溶性の食物繊維がたっぷりのごぼうは、便秘に良いということで有名。食物繊維が豊富ということは、血流をスマートにする効果があり、ひいては便秘の解消につながります。
さらに、ごぼうに含まれるイヌリンの利尿作用によって、体内に余分な水分をためず、外に排出することで冷えが改善されるという結果もあるようです。
体を冷やす食べ物
体を冷やす食べ物の代表は、夏野菜ですね。
トマトは生のままで食べると水分が多く、体を冷やしてしまうと言われています。
意外な食べ物としてご紹介したいのが、バナナです。ダイエットに効果があると言われているバナナですが、実は体を冷やす作用を持っています。そのため、バナナだけを食べるのではなく、温かいものを一緒に摂るなどの工夫が必要です。
そしてもうひとつ意外なのが、白砂糖。「上白糖」とも呼ばれる白砂糖は、体の中の水分を外へ逃がさないようにする機能があるため、“むくみ”につながりやすいと言われています。冷え性の人は白砂糖ではなく、黒砂糖や三温糖を使うと良いでしょう。
最後に紹介するのが、コーヒーです。コーヒーに含まれているカフェインには、血管の収縮を妨げる働きがあるので、血流が悪くなってしまいます。冷え性を悪化させる原因のひとつとして、「コーヒーの飲みすぎ」が挙げられることもあるくらい。
特にアイスコーヒーや、白砂糖を入れたコーヒーをたくさん飲む人は注意が必要ですね。「白砂糖がダメなら、ガムシロップを使えばいいじゃない」という声も挙がりそうですが、それよりはハチミツなどを選ぶようにしましょう。
調理の仕方でぽかぽか食べ物に変えよう
一方で冷えは嫌だから、あれも食べない、これも食べない……などとは言っていられません。「体が冷えるものは無理!」という基準で食材を選んでしまうと、偏食気味になってしまいます。
そこで、普段の料理法をちょっと変えたり、調味料を加えたりすることで、「ぽかぽか食事」を意識するようにしましょう。
簡単な方法としては、「できたて」を食べること、それだけ。煮ても焼いても、茹でても炒めても、加熱すれば料理は温かくなります。その温かい料理を、温かいうちに食べるのが良いのです。
だから、冬には「鍋」が好まれるんですよね。
さらに調味料や薬味として、しょうが・にんにく・ねぎ・しそなどの香味野菜を使うのもおすすめです。これらの食材も血行を促進しますので、身体を温めてくれます。
洋風料理には、スパイスやハーブがおすすめです。シナモンは毛細血管を収縮させ、血行を促進しますし、コショウには発汗作用があります。塩は、体内の水分調整をしてくれるので、体の冷えを防ぐ働きを持っています。
これらを上手に取り入れて、おいしいものを、ぜひ温かいうちに食べましょう。
驚くほどに、体も心もぽかぽかになれますよ。
冷え取りの食材については、「「冷えとり」は外からではなく中から!冷えを解消する食材」でも紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。