日本全国、津々浦々。
おいしい漬け物を求めて旅をするオトコ――。
こんなキャッチコピーのCMや雑誌があってもおかしくありませんよね(笑)
さて、言うまでもなくこれは僕自身のことですが、昔から旅行が趣味でして。日本国内だけでなく、バックパッカーの経験もあります。旅行って、一度足を運んだことのある地域でも新たな発見があり、毎回楽しい気持ちになれるんですよ。
さて、話を本題の「漬け物」に戻しましょう。
以前、「日本FOOD紀〜番外編「日本における3大漬け物製法とは?」」という記事を投稿しました。それまでの旅行の経験から、日本でうまいと言われる漬け物には一定の法則がある――ということを紹介したものです。
ですが、これはあくまで“傾向”であり、これがすべてではありません。
――そう! 今回、僕が紹介したい漬け物は、日本では珍しいものになります。
希少価値も高く、成城マダムからも愛されている、オシャンティーな漬け物。それが、香川県の「オリーブの新漬け」です。
そうなんです、香川県は、うどんだけじゃないんです!
実は、オリーブの産地でもあるのですね。
小豆島はオリーブの産地
さて、今回紹介するのは、小豆島産の「オリーブ漬け」です。
香川県にある小豆島は、リゾート地としても人気の高い島ですね。
瀬戸内海に位置する小豆島の平均気温は15度と温暖で、年間降水量も1,200ミリほど。実は、この平均気温や年間降水量は、地中海海岸とよく似ています。
こういった気候を持つことから、香川県では以前からオリーブが盛んに栽培されていますし、県の花や木は、両方ともオリーブになっているんです。
――などと、香川県に関する豆知識もご紹介していますが、そもそも「オリーブ料理」と聞いても、今ひとつピンと来ないという人もいるでしょう。
最近よく見る「オリーブ」と言えば、速水もこみちさん! 『MOCO’Sキッチン』で披露している、アレです。あまりに大量のオリーブオイルを使用することから、速水もこみち=オリーブオイルなんて説もあるとかないとか……。
話が脱線しましたが、今回取り上げるのはオリーブ油ではありません。
新鮮なオリーブの実を使った、「漬け物」をご紹介します。
新鮮なオリーブは鮮やかな緑色!
みなさんは、「オリーブ」と聞いてどのようなイメージが浮かびますか?
日本の食卓でオリーブが使われている風景……想像すると、まずはピザやサラダのトッピングでしょうか。黒く完熟したオリーブがトッピングに使われていることがよくありますね。あとはハンバーガーの中に、少しだけオリーブの実が入っていることもあります。
いずれにしても、色は黒く、完熟しているものを使っているのではないでしょうか。
ですが、小豆島の特産品となっているのは、“緑色”のオリーブです。
この緑色のオリーブは非常に希少価値が高く、完熟する前の新鮮なオリーブを漬けた証でもあります。
オリーブの新漬けにするオリーブの実は、まず手積みで1個ずつ、丁寧に収穫します。その後、渋抜き処理を行います。というのも、生のオリーブには渋みがあります。ですから、漬け込む前にはしっかりと渋抜きを行う必要があるんですね。
そしたら濁り汁がなくなるまで、ひたすら水洗いを行います。
水が綺麗になったら、いよいよ塩漬けに入りますよ!
オリーブの新漬けを作る際には、少しずつ塩分濃度を上げていくのがポイント。高濃度の塩水と4%の塩水、6%の塩水に1%の塩水と、数時間おきにオリーブを漬ける塩水を変えます。
最終的には、分濃度が3%前後の、それはおいしいオリーブの新漬けが完成します。
オリーブはみずみずしく、フルーティーな味わい
小豆島特産のオリーブの新漬けは、1年の収穫量が決まっているので、とても稀少な漬け物でもあります。
アクが抜けてフルーティーなオリーブの実は、さっぱりとした味わいに加えて、オリーブ特有の良い香りが鼻に抜けます。純粋な塩漬けなので、もちろん塩味も感じます。見た目にも鮮やかな緑色のオリーブは、インスタグラムやTwitterなどのネタにもピッタリ!
まさに成城マダムを中心に、オシャレな生活を送っている女性たちからの人気が高い逸品ですね。
オリーブの新漬けとワインの組み合わせは鉄板ですが、僕個人としては、ぜひ和食の箸休めにも取り入れたい味です。シンプルな塩味ですから、どんなメニューでも相性抜群。
さっぱりコリコリとした食感は、一度食べれば病みつきになること間違いなしですよ!