今回の日本FOOD紀は、僕たちの食卓に欠かせない調味料「醤油」にスポットライトを当ててみましょう。
醤油と言えば、過去に「しょうゆうこと」なんてギャグも流行りましたね。
もともとは村上ショージさんが考えたギャグですが、師匠にあたる明石家さんまさんがテレビ番組でこれを連呼。その結果、ショージさん・さんまさんの2人とも「醤油関係の仕事のオファーが来た」なんて逸話があります。
さて、そんな醤油のことを話す前に、みなさんに知ってもらいたい事実があります。
醤油って、実は……発酵食品の仲間なんです!
……はい。醤油の作り方を知っている人であれば「しょうゆうことか」と言われそうですし、知らない人からは「へぇ~」と軽く受け流されそうな、小さな雑学ですね。
今回取り上げるのは、僕の生まれ故郷でもある広島県にある「川中醤油」になります。ご当地醤油を作っている企業として有名で、直営店でしか食べられない有名なスイーツも合わせてご紹介しようと思います。
さあ、今回も日本の片隅にある「うまいもん」を目指して、小さな旅に出ようじゃありませんか。ふんだんにオヤジギャグを詰め込んでみましたが、ちょっと濃口かな? なんて思わないでくださいね。
……醤油だけに(笑)
実は醤油って発酵食品なんです
日常生活に溶け込んでいる醤油について、まずは簡単に振り返ってみましょう。
毎日の食卓に欠かせない醤油は、発酵食品の仲間です。
そもそも醤油の起源を遡ってみると、実は「味噌と同じ」という結論に辿り着きます。もちろん諸説はありますが、有力な説によれば古代中国に伝わる調味料「醤(ジャン)」が醤油や味噌の起源とのこと。
日本では、中国で教わった味噌の作り方を用いて製造してみたところ、いわゆる「たまり醤油」を発見! なんとも言えぬ旨さを醸し出していたので、調味料として使ったという逸話があります。これが、日本における醤油誕生の瞬間だとしている資料もありますね。
たまり醤油は信州で発見されたあと、主に関西方面で活用される食文化として発展してきました。江戸時代に入り、人口が増加するにつれて、当時の江戸っ子たちが愛した濃い味の醤油の製造がスタート。こうして、全国各地で醤油作りが活発に行われるようになりました。
めでたし、めでたし。
……なーんて歴史背景が、醤油には潜んでいます。
まさに、しょーゆーことなんです。
昔は3人で始めた醤油作り
川中醤油の発祥は、創業者の川中力三氏が細々と醤油・味噌を造っては地域の方々へ配っていた活動まで遡ります。創業当時、従業員の数はわずか3人。それでも、おいしい醤油を作っては、地域の方々の役に立ちたいという思いから製造を続けていたそうです。
そして第二次世界大戦終結後、2代目にあたる川中俊三氏が後継者に。昭和48年には広島県醤油組合の理事長に就任し、県内の醤油作りで常に第一線を担うことになります。
そんな川中醤油が作っている醤油のひとつに、「天然醸造醤油(本醸造)特選」があります。
現在はスーパーなどでも安く買うことのできる醤油ですが、川中醤油では、他社にはない高品質かつ高付加価値のある醤油造りを目指していました。その結果、一度味わうと忘れられない味として、人気に火が付いたとのことです。
自慢の醤油だからこそ他商品にも応用
「川中醤油」という屋号のとおり、主力商品は当然「醤油」です。
もともとは業務用を得意としている会社ですが、家庭向け商品のラインナップも充実しています。高級路線の醤油はもちろん、そのまま使える出汁醤油や、そうめんや麺類のツユ、焼肉のたれなども販売中。無駄な雑味が少なく、熟成された醤油の香りが楽しめると評判です。
この自慢の醤油を使ったスイーツが、直営店「川中醤油直営店 醤の館」で販売されています。特に夏場になると、川中醤油名物の醤油ソフトクリームを目当てに、県内外からお客さんが訪れるという超人気スイーツです。
実際に食べてみると、醤油の豊かな香りや風味は残しつつ、それでもソフトクリームの濃厚感が損なわれていない絶品。甘いものが少し苦手という人でもおいしく食べられる味なので、現地でまで行って食べる価値がありますよ。
さらに直営店では、川中醤油が製造している各種醤油もお土産用に購入可能。
広島市内でもやや郊外に直営店がありますが、ぜひ一度は足を運んでみてください!