野菜ジュースは低速ジューサーで作る
少し前まで、ジューサーで作った野菜ジュースは、野菜不足の解消には効果がないと言われていました。なぜかと言えば、その多くが「高速ジューサー」と呼ばれる家電製品で作ったものだからです。
高速ジューサーは、簡単に野菜ジュースが作れる家電製品として今でも人気があります。ですが、製品の特性上、高速で材料を回転させるため、摩擦熱が発生します。するとこの“熱”が、野菜の持っている酵素を壊してしまうんです。
ですから、野菜の栄養がジュースに反映されないという、皮肉っぽい結果になってしまうわけですね。
……ちなみに、先ほどから「高速ジューサー」を連呼していますが、実はいわゆる普通ジューサーのことです。普段よく見かけるジューサーは、だいたいこの「高速ジューサー」を指します。
では、どうしてわざわざ「高速」と付けるのでしょう?
それは「低速」ジューサーが商品として登場したからです。
そうなんです。メーカー側も高速ジューサーが材料の栄養を壊す問題として、摩擦熱をなくす工夫を凝らしているのです。摩擦熱さえ発生しなければ、野菜の酵素を破壊することは少なくなります。
ゆえに、ゆっくりと時間をかけて絞るジューサーが販売されているわけですね。まさに、野菜ジュースのためのジューサーです。この低速ジューサーを使えば、酵素を壊してしまう熱の問題は解決します。
低速ジューサーってどんなジューサーなんだろう
そもそもなぜ、低速ジューサーが話題になっているかと言えば、その理由は昨今の野菜ジュースブームにあります。
正確には、野菜ジュースと言うよりも「スムージー」ですね。どこか昭和っぽい呼び方が、現代風にアレンジされたようにも見えます。
野菜不足が叫ばれている現在、お店に行くと、いろいろな野菜ジュースが販売されています。市販されている野菜ジュースは手軽で便利。他方で、誰しも理想としているライフスタイルもあるのではないでしょうか。
例えば――朝起きて、その日の気分で野菜や果物をチョイス! おしゃれなジューサーを使って、ゆっくりと抽出したジュースを飲む……みたいな。健康や美容に気を使っている人たちにとっては、憧れの生活ですね。
そうした流行やイメージも伴って、近頃はジュースを作るのに特化した調理器具が注目を集めています。それが最新の「低速回転」となれば、ついつい手が伸びてしまうところ。先ほど挙げたようなメリットもありますしね。
ちなみにどれくらい低速かと言うと、高速ジューサーが1分間に約2万回前後、刃を回転させるとすると、低速ジューサーは1分間に数十回転という遅さです。
……ええ、とっても遅いです。
手で絞るのとほとんど変わりません。
さっと手軽に作れるのがジューサーの魅力なのに……と少しは思わなくもありません。それでも低速ジューサーが人気なのは、やっぱりしっかりと栄養を摂りたいからなんです。
いろいろ種類も出てきた低速ジューサー
今やお店に行けば、いろいろな低速ジューサーを見ることができます。
こうなると、どの機種を選ぶかが次の課題になってきますね。
「野菜や果物でジュースを作る」という基本的な機能は変わらないわけですから、他には何を見て選べばいいのでしょうか。
ポイントとしては、まずはジューサーの機能に関係する部分。
「シングルギア」か「ツインギア」かという部分です。野菜を圧搾する部分が1つになっているのがシングルギアで、2つなのがツインギアです。数が異なることで、搾り方にも違いが出てきます。
シングルギアは、投入した食材をフィルタにこすりつけるようにして絞っていきますが、ツインギアは、2つあるギアを活かして、ギア間の空白部分にも野菜や果物を入れて潰すようにして絞っていきます。
……なんだか、バイクのエンジンの仕組みを解説してるみたいですね(笑)
次に、投入口の大きさです。
ジューサーに材料を入れる投入口は、小さめに作られています。これは構造上の問題もあるのですが、危険防止のためでもあります。
ですが、投入口の大きさは、ジュースを作る時間に比例してしまうもの。投入口が小さければ小さいほど、ジュースを作るのには時間がかかります。それでなくても低速で遅いのですから、朝の貴重な時間はできるだけ大切にしたいところですよね。
あとは、お手入れのしやすさと機器のサイズです。
毎日使うものとして買うのですから、サクッと使えってササッと片づけられるのがベストです。だんだん使わなくなってしまう機械は、このあたりに問題がありそうですよね。……決して、自分の三日坊主だけが原因ではありませんよ、ええ。
毎朝、新鮮な野菜ジュースを飲んで、野菜不足から脱却する。
ジューサーの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
野菜不足が引き起こす症状については、「ご存じですか?野菜不足が身体に与える2大症状」で詳しく書いています。よかったら、こちらも合わせて読んでみてくださいね。