つわりに腰痛――今まで感じたことのない症状に悩まされている妊婦さんは少なくないのではないでしょうか。なかでも「便秘」に悩んでいる人は数多いと言われています。
そこで今回は、妊婦さんの「便秘」の原因と対策についてご紹介します!
妊婦さんの便秘の原因
妊婦さんの便秘には、いくつかの原因が考えられます。
ひとつは、黄体ホルモンの影響。妊娠すると、黄体ホルモンの分泌が活発になります。この黄体ホルモンには、体内の水分や栄養を蓄える働きがあり、大腸からも水分を吸収しています。その結果、便の水分量が減って固くなることによって、便秘になるのです。
また、腸が子宮に圧迫されることによって、便秘になるとも言われています。赤ちゃんは日に日に大きくなり、子宮が膨らむと、小腸や大腸が移動します。そうすると便の進みが悪くなり、便秘の症状が出てくるわけです。
もうひとつ、精神的な要因も挙げられます。「マタニティーブルー」という言葉にもあるように、妊娠すると精神が不安定になりやすくなります。このストレスが、便秘を引き起こしてしまうのです。
ほかにも、つわりでご飯が食べられなかったり、運動ができなかったり。こうして見ると、妊婦さんは便秘になりやすい生活を送らざるをえないとも言えるでしょう。
妊婦さんの便秘解消法:適度な運動
便秘を解消するには、適度な運動がおすすめです。運動をすることで血行が良くなり、腸の働きが活発になります。また、排便に必要な筋肉を鍛えることもできます。
しかし一方では、「妊娠中に運動をして良いのか?」という心配もありますよね。
特に妊娠初期は、胎盤などが完成していないため、流産しやすいと言われています。激しい運動をすると、転んだり、体をぶつけたりする可能性がありますよね。そういった強い刺激を受けると、場合によっては流産してしまうことがあるのです。
そういったことを踏まえると、妊娠初期の運動は控えたほうがいいと言えます。妊娠初期は、だいたい妊娠2週から15週を指し、16週からは安定期に入ります。このころには、ウォーキングやストレッチなどを行えるようになりますので、便秘対策に試してみましょう。
妊婦さんの便秘解消法:食事の仕方
妊娠中の便秘に対しては、「食事」を意識することで対応することができます。運動は難しくても、食事でしたら妊娠中でも普段どおりにできますものね。
便秘を改善してくれる食べ物としては、食物繊維が豊富に含まれている食材がおすすめです。食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」に分類されますが、どちらもバランスよく摂ることが大切です。
不溶性食物繊維を含む食べ物としては、穀類・野菜・豆類などが挙げられます。ゴボウ・カボチャ・大豆などがおすすめですね。水溶性食物繊維を含むのは、海藻類や果物など。ワカメ・バナナ・りんごなどに含まれています。
特に納豆とゴボウは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のどちらも含まれている食材なので、効率的に摂取することができますよ。
食物繊維のほかには、乳酸菌を含んだ食べ物もおすすめ。乳酸菌には、腸内環境を整えてくれる働きがあります。ヨーグルトやチーズなどの乳製品をはじめ、納豆・漬け物・味噌などの発酵食品などにも多く含まれています。
こうして見ると、食物繊維も乳酸菌も含んでいる納豆は、便秘対策においては万能な食材だと言えそうですね。普段の食事にプラスするだけでいいので、お手軽さも兼ね備えています。
妊娠中はさまざまな症状に悩まされますが、それは赤ちゃんがすくすくと育っている証拠でもあります。ポジティブに乗り越えていきましょう!