人間、誰しも動き続ければ疲れるもの。ですが、疲労がなかなかとれず、日常生活もままならないような状態になってしまう場合もあります。
こういった症状は、慢性疲労症候群の可能性があります。
「疲れているだけ」と我慢する人が多いですが、それは問題です! 「慢性疲労症候群」とはどういったものなのか、普通の「疲労」との違いを把握したうえで、しっかりと対策していきましょう。
「慢性疲労症候群」とは?
「慢性疲労症候群」とは、読んで字のごとく、慢性的に疲労を感じる病気です。1990年代から日本で患者数が増え続けており、実はそれなりにメジャーな病気です。
この病気になると、休んでも疲労が続き、ご飯が食べられなくなったり、眠れなくなったりと、場合によっては日常生活を送るのが困難になります。主な症状は、頭痛、筋肉痛、微熱、悪寒、関節痛、脱力感、抑うつなす。身体的・精神的な面で、複数の症状が現れます。
慢性疲労症候群の原因は、実はまだ明らかになっていません。研究では、身体的なものだったり精神的なものだったりといくつかの説があり、人によっても原因が異なると言われています。免疫システムの異常、遺伝的な要素など、複数の原因が考えられるとも。
普通の「疲労」と何が違うの?
では、この「慢性疲労症候群」と普通の「疲労」とでは、どういった違いがあるのでしょうか。
明らかな違いとしては、前者には「症状が長く続く」という特徴があります。上記の症状が6ヶ月以上続いているのならば、慢性疲労症候群と診断される可能性が高いと言えます。普通の疲労であれば、睡眠をとったり、薬を服用したりすることで症状が改善されます。
また、自分で「疲労の原因がわからない」場合も、慢性疲労症候群の疑いがあります。普通の疲労であれば、「ひさしぶりに運動したから」「飲みすぎてしまったから」「寝不足だから」などと、少しでも思い当たる節があるはずです。
あるいは「仕事を変えたから」「人間関係がうまくいってないから」など、精神的な原因も思い浮かぶかもしれませんね。問題は、そのような原因が判然としない場合です。病院で検査をしても原因がわからない場合は、慢性疲労症候群と診断される可能性が高くなります。
さらに、「日常生活に大きな影響を及ぼすほどの疲労である」場合も、慢性疲労症候群かもしれません。食事をするにもお風呂に入るにも疲れるなど、日常的な活動が困難になった場合は要注意。気になる人は、自分の疲労がどのように出ているかチェックしてみましょう。
慢性疲労症候群は症状がわかりにくいため、放置してしまう人が多いのが現状です。しかし放置してしまうと歩くことさえ辛くなり、病院に行くのも難しくなってしまうかもしれません。少しでも違和感を覚えたら、早めに病院へ行くことをおすすめします。
慢性疲労症候群の対策方法
慢性疲労症候群になると、病院で治療を進めることになります。
しかし、原因が明らかになっていないため、確立された治療法はありません。有効とされる内科的治療・精神科的治療を進めますが、重度になればなるほど完治が難しくなります。そうなる前に、対策を講じることが大切だと言えるでしょう。
慢性疲労症候群になりやすい人は、完璧主義の傾向があります。なんでも完璧にしなければならない、うまくやらなければならないと感じている人は、注意が必要です。
人間関係にせよ職場環境にせよ、自分の思いどおりにならないことは少なくありません。そのときに感じるストレスが、慢性疲労の原因になる可能性があります。自分なりにストレス解消法を見つけ、普段からなるべくストレスを溜めないようにしましょう。
また、疲労を感じたときに、あなたは休息をとっていますか? 「いつものことだから」と休まず、がんばりすぎてはいませんか?
その結果、慢性疲労になってしまう可能性もあります。疲れたら休まないと、疲労がどんどんたまっていきます。偏った食事や不規則な睡眠なども疲れの原因になりますから、健康的な生活を意識するようにしましょう。
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