こんにちは。
管理栄養士ライターの矢崎海里です。
普段は一般企業の管理栄養士として働いている私は、栄養カウンセリングもしております。
30代~40代女性の方とお話をしていて、よく聞く悩みが「実際どんな栄養素が足りていないのかよく分からない」。
年齢を重ねるにつれ、摂取しても吸収されにくい栄養素もあります。
ですが食事量は20代に比べ落ちていく……。
できれば不足している栄養素を効率よく摂取したいですよね。
今回はそんなお悩みに応えるべく、30代~40代の女性に不足している栄養素を一挙解説いたします!
そもそも栄養素の必要量ってどうやって調べるの?
よく、「一日の半分の食物繊維」などという言葉を見たり聞いたりしますが、そもそもこの「一日分」って何?誰が決めているの?と思ったことはありませんか?
ズバリ!この「一日分の栄養素」は厚生労働省が定めています。
健康な人を対象に調査を市、エネルギー・栄養素欠乏症の予防や生活習慣病の予防などを目的として、5年に1回「日本人の食事摂取基準」を制定。
この食事摂取基準は厚生労働省のHPから簡単に見ることができるので、一目で自分の年齢で必要な栄養素の量を調べることができます。
これから、この食事摂取基準を元に30代~40代女性に不足している栄養素をご紹介していきます。
では、この「不足している」根拠は?
こちらも厚生労働省が発表をしており、国民の生活状況や健康状態を把握するため、1歳以上の国民およそ1万世帯を毎年調査し、算出しています。
もちろん国民健康・栄養調査の結果も厚生労働省のHPで閲覧可能。
栄養素の摂取状況の他に、睡眠時間の統計や朝食欠食率など興味深いデータも載っているので、興味のある方は調べてみて下さい。
30代~40代女性に足りない栄養素はこれ!
では、上記を元にいよいよ30代~40代女性に不足している栄養素をピックアップして紹介していきます。
① 食物繊維(目標量に対し31%不足)
食物繊維は様々なメディアでも不足しがち、と言われているため、意識して摂取している方も多いのではないでしょうか。
また不足することでの一番の症状、便秘もよく知られていますが、心筋梗塞の発症率や死亡率など、生活習慣病との関連も報告されています。
食物繊維は主に野菜に入っており、加熱することでたくさん食べることができるのでおすすめ!
その他、主食は玄米や十六穀米、ライ麦パンなどにすることで通常の白米や食パンより食物繊維を摂取できます。
② ビタミンA(推奨量に対し36%不足)
ビタミンAは目や皮膚、粘膜を健康に保つ働きがあり、不足することで感染症にかかるリスクが高まることがあります。
レバーや魚介、緑黄色野菜に多く含まれており、加熱に強く、油との相性がよいので炒め物などがおすすめ。
ただ、ビタミンAは摂り過ぎることで頭痛や嘔吐、妊婦の場合奇形児のリスクが高まることもあるため、サプリメントでの摂取は注意が必要です。
③ ビタミンB1(推奨量に対し29%不足)
糖質の代謝に関わるビタミンB1。
無気力、倦怠感などの症状を緩和する効果もあり、疲労回復にも役立ちます。
反対に、不足することで疲れやすくなることも。
豚肉に豊富に含まれており、豚肉の中ではヒレやもも肉に含有量が多くなっています。
④ ビタミンC(推奨量に対し34%不足)
コラーゲンの合成に関わるほか、強い抗酸化作用があるビタミンC。
不足することで毛細血管の組織が弱まり、血が止まらなくなる(壊血病)ことや、コラーゲンの形成低下が起こります。
野菜や果物に多く含まれるビタミンCですが、熱に弱く水に溶けてしまうので、生のまま食べることで効率よく摂取ができます。
⑤ カルシウム(推奨量に対し17%不足)・マグネシウム(推奨量に対し29%)
カルシウムとマグネシウムは、今までご紹介した中でも一番摂取して欲しい栄養素です。
実はこの2つの栄養素、女性ならではの症状、PMS(月経前症候群)の緩和に効果があるとされています。
PMSとは、排卵日から月経がはじまるまでの間に起こる頭痛や腹痛、情緒不安定などの症状のこと。
私も毎月腹痛や腰付近のだるさで苦しんでいます…。
はっきりとした原因は不明ですが、ホルモンバランスの変化が影響していると言われており、マグネシウムは、神経の興奮を鎮め、精神を安定させる働き、PMSの症状を和らげる働きがあります。
また、カルシウムも同じくストレス解消効果があるため、同時に摂取することで効果を発揮すると考えられています。
カルシウムは牛乳や乳製品、魚介類、マグネシウムは昆布やひじき、干しエビなどに多く含まれています。
管理栄養士イチオシ!不足栄養分を補うレシピ
ここまでに不足しがちな栄養素を6種挙げました。
ここからは、上記の栄養素をしっかりと補えるレシピを2つご紹介致します。
・豚バラ肉のはちみつ黒胡椒焼き
材料(1人前)
豚バラ(ブロック) 100g
★はちみつ 大さじ1
★塩 小さじ1/4
★黒胡椒(あらびき) 小さじ1/2
★水 小さじ1/2
サラダ油 少々
焼き肉のたれ 大さじ1/2
水 小さじ1
作り方
① 豚バラ肉は食べやすい大きさに切り、水気を拭き取る
② ★を混ぜ、①に絡め、2~3時間おく
③ 熱したフライパンに薄くサラダ油をひき、②を両面こんがり焼く
④ 焼き肉のたれと水を加え、煮からめたら完成
エネルギー:440kcal 食塩相当量:1.2g
ポイント
ボリューム満点!豚バラ肉を使ったメニューです。
1人分で一日に必要なビタミンB1の約半分が摂取できます。
はちみつの甘さだけではなく、しっかりと黒胡椒のぴりっとしたアクセントがあるので、ごはんのおかずにぴったり!
・昆布と小魚アーモンドの佃煮
材料(作りやすい分量)
出汁昆布 2枚
小魚アーモンド 20g
★醤油 大さじ1
★酒 大さじ2
★砂糖 大さじ1
いりごま 少々
作り方
① 昆布は表面を酒で拭き、細く刻む(出汁を取り終わったあとの昆布でもOK)
② 昆布、小魚アーモンドをから煎りする
③ ★を入れ煮からめ、最後にいりごまを振って完成
ポイント
私は簡単なので市販の小魚アーモンドを使いました。
小魚アーモンドは味付けがしてあるものなので、調味料の量には注意して下さい。
反対に食べる小魚とアーモンドをミックスするときは、元々の味が付いていないので調味料を調整して下さいね。
佃煮にすることで毎日ご飯のお供に継続して食べられます。
昆布はマグネシウムが、小魚はカルシウムが、アーモンドはビタミンAが豊富に含まれていて、先ほどご紹介した栄養素を上手に補うことができます。
他に干しエビやくるみなどを入れてもOK!
冷蔵庫の常備品にいかがでしょうか?
まとめ
しっかり食べたあとはきちんと消化することも大切!
なかきれい酵素で酵素も補いながら、体の老廃物を排出することも重要です。
酵素も栄養素も、その時だけたくさん補給しても効果がありません。
無理なく続けられるよう、食べやすいもので習慣的な摂取を心がけましょう。
writer:矢崎海里
大学を卒業後、大手企業の栄養管理業務を行いながら勉強をし、管理栄養士国家試験に既卒で合格。
現在は管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。
レシピ考案が好きで、一度作ったものは作らず、常に新しいメニューを自炊し楽しんでいる。
趣味は旅行で、20代のうちに47都道府県行くことが目標。